半導体銘柄は今週、大打撃を受けた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が10.8%下落、ヴァンエック半導体株ETF(SMH)が10営業日で13%下落、iシェアーズ・セミコンダクターETF(SOXX)がわずか1週間で8%下落した。また、ロイターによると、半導体株の時価総額のうち約1兆3000億ドル(約210.6兆円)が消失し、インテルが7日間で21%下落したほか、マイクロン・AMD・サムスンも圧力にさらされている。
この下落の根本原因は需要の消失ではなく、AIインフラ投資に対するリターンへの疑念、ドットコムバブル期並みのバリュエーション(株価評価)、そして連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派姿勢への傾斜といった懸念が重なり合ったことにあると、グローブ・アンド・メール紙は指摘している。さらに、ロイターの報道によると、ヘッジファンドはこの1カ月間、半導体株の下落を見越した取引で利益を得ている。
半導体株は短期的に売られているものの、ウォール街の12カ月目標株価は依然として大幅な上昇余地を示唆している(エヌビディアはプラス56%、マイクロンはプラス66%)。しかし、インテルはこのトレンドに逆行しており、目標株価を8%上回る水準で取引されている。ウォール街の金融大手モルガン・スタンレーは、最近の下落は相場の天井ではなく、景気サイクル半ばのリセット(ミッドサイクル・リセット)であると述べている。
半導体株売りの根本原因とは?
株価が上下に動く要因は、2つの指標で期待を上回れるかにかかっている。直近四半期における市場予想(コンセンサス)の成長率や利益、そして企業の将来の成長性に対するウォール街の見方である。私はかねてからそう執筆してきた。
この見方に当てはめてみよう。CNBCの報道によると、サムスンが発表した第2四半期の営業利益が、前年同期比1810%増となる約584億ドル(約9.46兆円)という過去最高を記録したにもかかわらず、市場の期待を大きく超えられなかったことにウォール街は失望した。売上高の伸びが市場予想に届かなかったためだ。「期待が高まりすぎており、ファンダメンタルズがその極めて高い要求に応えるのに苦心している」と、FBBキャピタルのマイク・ベイリーはCNBCに語った。
下落の根本にあるのは、ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)によるAI関連の設備投資が前年同期比67%増の6500億ドル(約105.3兆円)に達したものの、この水準は持続不可能ではないかという不安である。
その根拠として、私が先月執筆したように、半導体不足がハイパースケーラー向けの価格を押し上げている点にある。一方で、企業側はAIチャットボット利用の月額予算を抑えようとしており、これがOpenAIやAnthropic(アンソロピック)といった高価格帯のAIチャットボット提供企業に、料金引き下げの圧力をかけている。
ケビン・ウォーシュ率いる連邦準備制度理事会(FRB)がインフレを抑制するために利上げを行えば、AI投資に対する十分なリターンが得られないことに加え、メタが余剰のAIクラウドサービス容量を他社に貸し出すという決定(ブルームバーグが報道)が重なり、AI設備投資の伸びを抑制する可能性があると、インテリクシアは指摘している。



