地上ロボットを大規模に展開するには、依然として通信が最大のネックのひとつになっている。解決策のひとつとして挙げられるのが、複数の機器が網目状につながり合い、データを中継しながら通信する「メッシュネットワーク」だ。
ドローンやUGV、地上局などが互いにコマンドを中継するメッシュネットワークを構築すれば、操縦士とロボットを結ぶ単一の無線リンクに依存せずに済むため、ロボット部隊はジャミング(電波妨害)への耐性が高まる。「UGVを大規模に運用するためには、メッシュネットワークへの対応が実質的な前提条件になるでしょう」と、ウクライナで義勇兵部隊「チョーズン・カンパニー」を率いたライアン・オリアリーは筆者に語った。
一方、ロシアもさまざまなUGVコンセプトに取り組んでいる。米シンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)の非常勤シニアフェローであるサミュエル・ベンデットによると、ロシア軍も兵站、負傷兵の後送、戦闘といった任務向けにUGVを配備しており、「クリエル(配達員)」、「デペシャ(至急便)」、「インプリス(衝動)」といったシステムのほか、前線部隊が自作している即席のロボットも運用している。
しかし、UGVの実戦配備に関しては、現状ではウクライナ側が優位性を維持しているとベンデットはみている。「現在、ロシア軍が前線で使っているUGVの総数は、おそらくウクライナ側よりも少ないでしょう」と彼は筆者に述べ、通信面の制約が運用拡大の障害になっていると説明した。それでも、ドローンに支配された戦場で地上ロボットが不可欠な存在になっていくという認識は、両軍とも強めているとも指摘した。
新たな諸兵科連合ドクトリンの構築
ウクライナ軍の指揮官たちは、兵士が前進する前にロボットに何ができるかを踏まえて強襲作戦を立案するようになってきている。
ウクライナ陸軍第3独立強襲旅団のNC13攻撃UGV中隊の指揮官は昨年12月、ウクライナの軍事メディアのミリタルニーに、自身の部隊は複数の武装ロボットを同時に用いた攻勢作戦をすでに実施したと語った。こうした攻撃を例外的なものではなく、通常の作戦にしていくことが次のステップだとしている。


