人工知能(AI)は驚くべき速度で職場を変革しており、AI人材への需要も急増し続け、関連職は69%増加している。それでも、多くの雇用主はこの移行に向けて従業員を十分に備えさせていない。
新たな調査によれば、この状況は一部の働き手にキャリア上の無力感を生んでいる。従業員は企業の研修プログラムや承認済みAIプラットフォームを待つ代わりに、自ら対処し、生産性と競争力を維持するために自分のAIツールを職場に持ち込んでいる。
雇用主は従業員にAIへの備えを提供できていない
Resume Nowの新たな「BYO AI Report」は、米国の就労者1000人以上を対象に調査を実施し、組織を横断して職場で「Bring Your Own AI」(BYO AI、自前AIの職場持ち込み)の動きが広がりつつあることを示している。従業員は会社が提供するテクノロジーに頼るのではなく、消費者向けAIツールに自ら登録し、それを業務遂行に使っている。しかも多くの場合、雇用主からの指針はほとんどない。
同報告書は、AIの急速な導入と、それを支える雇用主側の準備状況との間に大きな隔たりがあることを明らかにしている。調査結果のなかでも特に注目すべき点は次の通りだ。
・従業員の41%は、雇用主からAIツール、研修、指針のいずれも一切提供されていないと回答している
・20%は、AIを効果的に使うために必要なツールと研修について、雇用主が十分に備えさせてくれていると考えている
・31%は、受けている支援は最小限にとどまると回答している
・さらに8%は、雇用主は努力しているものの、その支援は従業員が必要とする水準には大きく届いていないと答えている。
これらの結果は、経営幹部がAI戦略について議論を続ける一方で、多くの従業員はいまだに、こうしたツールの使い方を自力で見つけ出さざるを得ない状況に置かれていることを示している。
従業員が求めているのはアクセスだけでなく方向性だ
同調査によれば、従業員にAIへのアクセスを提供することは、課題の一側面にすぎない。働く人には、AIをいつ、どこで、どのように責任を持って使うべきかについての明確な指針も必要である。しかしResume Nowによると、職務別の期待値を定めている組織は比較的少ない。
回答者のうち、自分の職務責任に合わせた明確なAIガイドラインを雇用主が提供していると答えたのは21%にとどまる。26%は一般的な指針だけを受けていると回答し、16%は指針がほとんど、あるいはまったく存在しないと答えている。5%は雇用主からのメッセージが一貫していない、または分かりにくいと述べ、4%はAIの利用が積極的に抑制または禁止されていると回答している。一方で、28%はAIがそもそも職場の一部になっていないと答えている。
明確な方針がなければ、従業員はどの業務にAIを使うべきで、どの業務には使うべきでないのかを自分で判断せざるを得ない。調査は、こうした状況が組織全体で一貫性の欠如、セキュリティ上の懸念、不確実性を高めることを示している。



