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気候・環境

2026.07.10 08:10

2026年皆既日食を逃さない、プロ直伝の撮影術

stock.adobe.com

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次の皆既日食まであと数週間に迫り、旅行者にとっては自然界で最も壮大な現象の1つを目撃する、ここ数年で絶好の機会が訪れようとしている。2026年8月12日、月の影がグリーンランド、アイスランド、スペイン北部、そしてポルトガルの一角を駆け抜け、これらの地域をわずか数分間、日中の暗闇に突き落とす。ヨーロッパの大部分、アフリカ北西部、カナダ、米国北部の一帯では部分日食が観測されるが、太陽の輝くコロナと、昼から薄明へと移り変わる超現実的な変化を体験できるのは、狭い皆既帯の中にいる人々だけだ。

大西洋を渡って皆既日食を追いかけるにせよ、あるいは自宅の近くで部分日食を眺めるために一歩外に出るだけにせよ、この天体ショーを写真に収めるには、単にカメラを空に向ける以上の準備が必要となる。数々の賞を受賞している天体写真家のデビッド・ライトは、EYOSエクスペディションズ(EYOS Expeditions)が運航する探検船アクア・ラレス(Aqua Lares)による1週間の極地遠征に参加し、グリーンランド沖の海上からこの日食を撮影する予定だ。彼はそこで、世界で最も人里離れた環境の1つにおいて、乗客たちがこの希少な天体イベントを撮影するのをサポートする役割も担っている。

BBCからナショナル ジオグラフィックにいたるまで、幅広いメディアに作品が掲載されてきたライトに、日食を安全に撮影し、なおかつその体験自体を逃さないための最良の助言を聞いた。以下が彼の答えだ。

撮影よりも安全を優先する

カメラの設定を考える前に、まず目を保護することと機材を守ることが最優先だとライトは語る。

「安全は絶対に譲れません」とライトは言う。「一瞬で目を傷めたり、カメラのセンサーを焼いたりするおそれがあります。例外はありません」

ライトは、日食を観察する際はISO認証を受けた日食グラスのみを使用し(通常のサングラスは不可)、部分食の段階では常にカメラレンズの前面に専用のソーラーフィルターを装着することを強調する。スマートフォンで撮影する場合は、スマホ専用のソーラーフィルターを使用するか、認証済みのソーラーグラスをカメラレンズにぴったりと押し当てて使用することができる。

彼の最も重要なルールは次の通りだ。「部分食の間は、保護フィルターなしでレンズ越しに太陽を直接見てはならない」

「体験」の撮影も忘れない

初めて日食を撮影する人の多くが、同じ間違いを犯すとライトは指摘する。

「最大の間違いは、日食を遠くにいる野生動物のように扱ってしまうことです」とライトは言う。「これは世界を一変させるようなイベントなのです」

太陽のクローズアップ写真だけに集中するのではなく、2つのまったく異なるアプローチで日食を撮影することを彼は勧めている。400〜600mm(またはそれ以上)の望遠レンズはコロナの詳細な様子を捉えるのに最適だが、広角レンズを使えば、変化する風景や地平線沿いの輝き、人々の反応などを含めた、より大きなストーリーを表現できる。そして、頑丈な三脚を必ず使用することだ。

「日食はコロナのクローズアップ写真だけがすべてではありません」と彼は言う。「体験そのものが重要なのです。薄気味悪いほど暗くなっていく昼の光、360度に広がる薄明の地平線、純粋な畏敬の念を抱く友人たちの表情、星空の下で踊る奇妙な三日月形の影、そして突然訪れる大自然の静寂といったすべてが含まれます」

日食当日の前に練習する

夕日や風景を撮影する場合とは異なり、日食の本番はカメラ設定を試行錯誤する時間はない。

「イベントの前に、そして自宅を出発する前に、露出の設定を練習しておいてください」とライトは語る。

ライトの推奨は、日食当日を迎える前に、晴れた日の正午の太陽をソーラーフィルター越しに撮影し、設定を詰めておくことだ。出発点として、カメラをマニュアルモードにし、ISO 200、絞りをf/5.6〜f/8、シャッタースピードを約1/1500秒に設定し、その後は状況の変化に応じて調整することを提案している。

また、急速に変化する光を捉える確率を最大限に高めるために、RAWフォーマットで撮影し、オートブラケット(露出を段階的に変えて複数枚撮影する機能)を使用することも勧めている。

マニュアルフォーカスを味方につける

ソーラーフィルター越しに太陽を撮影する場合、オートフォーカスがうまく機能しないことが多いため、ライトは日食が始まる前にマニュアルフォーカスに切り替えることを勧めている。

「レンズを手動でピント合わせし、無限遠に設定しておくことが、正確なフォーカスを得る最善の方法です」とライトは言う。

ソーラーフィルターを取り付けたら、見えている黒点にピントを合わせる。黒点がない場合は、日食が進む前に太陽の縁を使ってピントを微調整するとよい。

スマートフォンは想像以上に強力

意味のある日食の写真を持ち帰るために、バックパックいっぱいの高価な機材を用意する必要はない。

「素晴らしい日食の写真すべてに、巨大な望遠レンズや大がかりな三脚が必要なわけではありません」とライトは言う。「最も記憶に残る写真は、ポケットに入っている最もシンプルなツール、すなわちスマートフォンから生まれることもあるのです」

専用のカメラであればコロナのより鮮明なクローズアップ写真を撮影できるが、スマートフォンはその場の雰囲気を記録することに長けている。ライトは、専用カメラで静止画を撮影しつつ、同時にスマートフォンで動画を撮影して、人々の反応や移り変わる光を捉えることを提案している。

皆既食の間は、空をより深く表現するためにスマートフォンの画像をややアンダー気味にするか、明るいコロナと暗い風景のバランスを取るためにHDRモードを使うことを勧めている。

空を見上げることを忘れない

おそらく、ライトの最も価値あるアドバイスは、写真撮影とはまったく関係のないものだろう。

「余計なことを考えずに済むようにセットアップを完了させ、一歩下がってその瞬間を体験してください」と彼は言う。

ほとんどの場所で皆既日食の継続時間はわずか数分間にすぎないため、事前の準備が不可欠となる。あらかじめカメラをプログラミングしておくことで、設定操作に手こずることなく、その瞬間を心から楽しむことができると彼は語る。

「皆既食が始まったら、自由に空を見上げ、肌寒さを感じ、静寂に耳を傾けることができます。それでも、写真はしっかりと撮影できているはずです」

forbes.com 原文

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