ベナンでの過ごし方:フランス語学校、多国籍な婦人会活動
━━ 実際にベナンに移住されてから、現地ではどのような日常生活を送られていたのですか?
弓子: 平日、2人の子供たちを学校(インターナショナルスクール)へ送り出した後の午前8時から午後3時までは、自分のための時間として過ごしていました。ベナンはフランス語が公用語の国なので、最初の1年目は現地の語学学校に週3回ほど通い、必死にフランス語を学びました。
言葉に少し慣れてきた2年目からは、現地の「フランス人婦人会」のような多国籍のコミュニティに参加しました。ヨガやフィットネスのクラス、月に1回のコーヒーミーティングや英会話クラブなど、様々なアクティビティが運営されていて、フランス語が拙い私でも温かく仲間に入れてもらい、充実した時間を過ごせました。
子供たちのインターナショナルスクールへの送り迎えは徒歩圏内ですが、現地での移動には、自分自身で車(ときにはバイクも)を運転しています。ベナンでは車やバイクが必須の生活インフラなのですが、運転手を雇うのが普通なので日本人コミュニティの奥様方の中で自分で運転しているのは少し驚かれます。
婚前旅行の勧め:トラブルで見えた「なんとかなる」の信頼と、価値観・人生プランのすり合わせ方
━━ 夫からの突飛な提案を受け入れられたのは、お二人の間で事前に価値観のすり合わせができていたからでしょうか?
弓子: 私自身はもともと「海外に住みたい」という希望があったわけではありません。「年に1回、海外旅行に行ければいいな」というくらいの感覚で、英語もろくに話せませんでした。逆に、彼は最初から「海外を舞台に仕事をしたい」という明確な夢や目標を語っていました。なので起業の話を聞いたときそれは純粋に応援したいと思えたし、自分のキャリアを中断することはもちろん苦しい決断でしたが、彼の大きな熱量に対して「止める理由もないし、応援しよう」と、自然と彼の描く未来を受け入れていった感じです。
━━ 結婚前の「クロアチア旅行」で、お互いの旅行のスタンス・価値観を確かめ合われたそうですね。
弓子: そうなんです。私は事前にホテルや交通手段を決めてきっちり旅の計画をしたい派なのですが、彼は「現地で行き当たりばったりで決める」という真逆のタイプ。一度彼のスタイルに付き合ってクロアチアへ旅行してみたのですが、案の定、トラブル続きでした。例えば、クロアチアの離島から本土に戻る際に予定のフェリーがすべて売り切れていたというトラブルが起きました。
次の行き先(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)へのバスのチケットをすでに購入していた私は、「どうするの!?」と大パニック。でも彼は「なんとかなる。最悪バス代を捨てればいいし、トラブルも旅の醍醐味だよ」とケロッとしていました。結局、彼が現地の人に聞き回って、翌朝5時に島の反対側の港から出る始発フェリーを見つけ出し、無事に予定通りのバスに間に合わせました。
私は心底ヘトヘトになりましたが(笑)、「本当にこの人は、どんなトラブルが起きても最終的になんとかしてしまうんだな」という強烈な体験になり、その時の信頼感が、今のアフリカ移住への抵抗感をなくす土台になったのは間違いありません。
価値観が違っても、「この人と一緒なら大丈夫」と思えるかを試す意味で、結婚前に少しハードな旅行に行ってみることも良いかもしれません。


