キャリア変遷となぜチャレンジを続けられるのか:「53歳で死ぬ」としたら後悔するか?
━━ 10回の転職を経て43歳で起業し、今回のような未知の領域へリスクを恐れずに飛び込める原動力は何ですか?
カルロス:死生観が大きく影響しています。私の父は53歳、母は60歳という若さで急逝しました。私が25歳の時に母を亡くし、「自分も一度そこで死んだ」と思っています。もし自分が父と同じ53歳で死ぬとしたら、起業をしようとしていた43歳の時に残された時間はあと10年ほどしかありませんでした。
起業する前、転職するか起業するかで悩んだ時、「あと10年で死ぬかもしれないのに、数年をまた別の会社での転職活動や様子見で過ごしたら、死ぬ時に絶対に後悔する。なら、今起業すべきだ」と迷いが消えました。
━━ 行ったこともない国(ベナン)での起業に不安はなかったのですか?
カルロス:私はこれまで世界100カ国近くを巡り、直前にはタンザニアの会社でも働いていました。「お金がない地域にはインフラが整備されず、それが機会格差や収入格差に繋がる」という構造は、東南アジアでも中南米でもアフリカでも全く同じです。これまでの実体験から抽象化されたデータがあったため、行ったことがない国でも「勝ち筋」を高い解像度で推測できていました。
世界中を旅する中で色々危ない経験もしていますが、まだ指が10本あって足が2本あって両目もまだ見える。それに比べて、起業で失敗しても死ぬわけではありません。「失敗」の定義が人と違うので、うまくいかなくても「失敗」したとは受け止めないと思います。
それよりも、この世を去る時に「あれをやっておけばよかった」と思いたくない。そして、他界した両親に対して「あなたが残した息子は、世界にこれだけのプラスのインパクトを与えたよ」と胸を張って恩返しがしたい。それが私のモチベーションです。
━━そうはいっても、10回の転職が、カルロスのように結果的に繋がってくる・活きてくる(Connecting Dots)こともあれば、迷走してしまうこともある。何が差を分けるのか?
カルロス:自分の中で一本筋や軸が通っているかが大事。私の場合は、「楽しそう」という好奇心で判断しているから、表面的には繋がっていなくても悔いが残らない。例えば、ハウツー本や他人のアドバイスなどでも、額面通りに受け取ってしまうと現実や状況にあてはまらないことも多いので、メッセージの根っこにあるエッセンス(本質)を考えて自分のフィルターで解釈をした上で意思決定すると、応用がきくし、後々Connecting Dotsになりやすいのではないか。


