アート

2026.07.20 15:00

工場跡地が地域のハブに 北杜市で進む文化の集積|アートな数字

22年8月のオープン以降、PRして観光地化するのでなく「アーティスト界隈に面白がってもらえる場所」を目指してきた。金~月曜に公開し、年平均1万人が来場。約5割がアート関係者で、まちづくりのヒントを探すデベロッパーも多いという。その内容と維持を考えれば入場料があってもいいほどだが、「作品を買っていただく、あるいはメンバーシップや寄付などのかたちが健全」と、あえて無料にしている。

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アーティストインレジデンスは紹介制で募りながら、3年間で10カ国から約50人を受け入れてきた。訪問時に黙々と作業をしていたアニメーション作家の山中千尋は、「季節の移ろいや日々の空の変化、ギャラリー内の作品から普段得られない刺激やエネルギーを得ている」と話す。

(左上から時計回りに)西野が“共犯者”と呼ぶ、運営パートナーのウエマツ タケシ。アーティスト、モデルでもある。展示作品はペインティングから彫刻、インスタレーションまでさまざま。「委託販売」「保管」「(GASBON METABOLISM)所有」の3ステータスで運用されている。代表の西野慎二郎。背景は、訪問時に開催していたUSUGROWによる個展「踊る線、祈る線」
(左上から時計回りに)西野が“共犯者”と呼ぶ、運営パートナーのウエマツ タケシ。アーティスト、モデルでもある。展示作品はペインティングから彫刻、インスタレーションまでさまざま。「委託販売」「保管」「(GASBON METABOLISM)所有」の3ステータスで運用されている。代表の西野慎二郎。背景は、訪問時に開催していたUSUGROWによる個展「踊る線、祈る線」

西野は、こうして訪れたアーティストがミツバチのように地域の魅力の伝達役となり、「試住」や移住、二拠点生活者が増えていくサイクルを描く。実際、この数年でギャラリーやレストランが増え、近く宿泊施設も開業予定だ。GASBONも参画する北杜アート協会は、各所をまわるバスツアーなどを実施。行政や企業を巻き込み、制作環境を拡充させるアーティストビレッジ構想もあるという。

「メタボリズムとは新陳代謝という意味ですが、リノベーションしたこの場所の成り立ちと、子どもの絵から80代の作家の作品までを見せるなど、アートを次の世代につなぎたいという思いから名付けました」と西野。未来へと続く新たな循環が、着実に動き始めている。

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文=鈴木奈央 写真=若原瑞昌 書=根本充康

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