恋愛関係がパートナーシップではなく、単に共同生活を管理するための取り決めに変わったら気づくはずーー。大半の人はそう思っている。一般的には、愛情は口論や激しい怒りを通じて目に見える形で失われていくと考えられている。だが実際にはその変化はゆっくり進むため、気づいたときには愛情はとっくに失われている、ということが多い。
効率的に切り盛りされている家庭や同期されたスケジュール、公平に分担された役割などは全て親密さと混同されがちだ。これは真のチームとして機能するには2人が協力することが必要だからだ。だがそれにはお互いを深く理解し合う必要はない。
恋愛関係を専門とする研究者たちは、依然として積極的なつながりによって支えられているパートナーシップと、構造や習慣だけで維持されている関係とを区別する、信頼できる指標をいくつか特定している。その中でも特に注目すべき兆候は以下の2つだ。
1. 2人の会話が実務的なものだけになっている
長年連れ添ったカップルのごく普通の夜の会話を聞くと、あるパターンが浮かび上がることが多い。誰が子どもを迎えに行くか、請求書の支払いは済んだか、親戚は何時に来るのか、といった話題だ。こうした会話に本質的に問題があるわけではない。共同生活には調整が必要であり、それをうまくこなしているカップルには疑いの目ではなく称賛が向けられるべきだ。懸念が生じるのは、実務的な話題が会話のすべてを占めてしまったときだ。つまり、情報のやり取りが内面の体験の共有を完全に置き換えてしまったときだ。
この違いは恋愛心理学でいう自己拡張モデルに当てはまる。専門誌『Journal of Social and Personal Relationships』に2022年に掲載されたレビューでも説明されているように、これは人が自分のアイデンティティや能力、可能性を広げてくれる相手に惹かれるという、恋愛科学において確立された枠組みだ。
交際が始まって間もない頃には、新しい相手との出会いそのものがもたらす新鮮さによってこの自己拡張はほとんど無意識のうちに起こる。その状態をその後も維持するには意識的な努力が必要になる。なぜなら、新鮮さとはその定義上、親しみが深まるにつれて失われていくものだからだ。この傾向は専門誌『Psychological Bulletin』に2021年に掲載されたメタ分析でも確認されている。この分析では16万5000人以上を対象に恋愛満足度を追跡した。その結果、交際を始めてからの10年間で満足度は着実に低下し、その後最も低い水準に達することが示された。カップルがその新鮮さを補充できなければ、会話は次第に成長の源から、必要かつ機能的ではあるもののお互いの内面にはほとんど関心を寄せない維持機能に近いものへと変化していく。
こうしたことから、問うべきはカップルが実務的なことを話し合っているかどうかではない。それ以外の会話が残っているかどうか、つまり、どちらかのパートナーが相手に今考えていることや、その日心に引っかかったこと、楽しみにしていることをまだ尋ねているかどうかだ。そうした問いかけが完全になくなってしまったとき、2人は実務面では素晴らしいチームであり続けながらも、真の意味では他人同士に変わっていくことがある。



