2. 相手からの小さな「つながりを求める兆候」に応えなくなる
2つ目の兆候はさらに目立たず、言葉に表れるというよりは、認識されてないことに現れる。心理学者ジョン・ゴットマンは長年の観察研究をもとに、「つながりへの働きかけ」という概念を提唱した。これは面白いことへのコメントや難しい電話の後のため息、あるいは何気なく差し出された手など、カップルが日常の中で互いに向ける、ささやかで目立たない働きかけを指す。専門誌『Personality and Social Psychology Bulletin』に掲載されたパートナーの反応性に関する2022年の研究によると、こうしたささやかな瞬間にパートナーがただ見過ごすのではなく、どれほど一貫して反応するかがカップルが今後感じる温かさや親密さを予測する信頼性の高い指標の1つだ。
習慣だけで維持されている関係においてこうした働きかけが消えるわけではない。失われるのはそれに対する気づきだ。何かを話しかけても気のない返事だけで終わる。ちょっとしたユーモアも受け止められない。そこに悪意はない。ただ、注意があまりにも一貫して他のところに向けられ続けているためカップルは静かに、そして話し合うこともなくお互いに期待するものを変えてしまう。
やがてどちらも相手に働きかけなくなる。それは恨みからではなく、互いへ向き合う習慣があまりにも長く使われなかったため、もはや本能的なものではなく、むしろ馴染みのないもののように感じられるようになってきたからだ。
どちらのパターンも同じ根本的な変化に起因している。それは、これまで築かれた仕組みだけで関係が惰性で続くため、関係を維持するために積極的な努力をしなくなるという変化だ。どちらの場合も、カップルのどちらかが維持管理以上のものを提供しなくても関係は際限なく続く。それこそがこの状態に当事者が気づくことを非常に難しくしている。
これら2つの兆候は、根底にある愛情が消え去ったことを示しているわけではない。ただ、その愛情が「実行されなくなった」ことを意味している。そして、使われない能力は実際には存在しているにもかかわらず、あたかも失われたかのように見えてしまう。それを改善する方法が大掛かりなものであることはほとんどない。ふと思いついた質問であったり、相手からの小さな働きかけに対していつもの気のない反応ではなく、本当に注意を向けて応えることだったりするかもしれない。


