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リーダーシップ

2026.07.09 09:21

AI時代のリーダーに求められる「内面のアップデート」

Adobe Stock

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毎年、企業のリーダーシップ開発には数十億ドルもの資金が投じられている。しかし、リーダーシップ開発の専門家であるロージー・ワードに言わせれば、その大半は「的外れな課題」の解決に費やされているという。

リーダーシップ開発の専門家であり、著書『FUTURE-PROOFING LEADERSHIP: Navigating Change and Disruption to Thrive in an Uncertain World(不確実な世界を勝ち抜くためのリーダーシップ)』の著者でもあるワードは、これまでのキャリアを通じて、なぜこれほど多くのリーダーシッププログラムが持続的な変化をもたらさないのかを追究してきた。彼女の答えは、シンプルであると同時に、核心を突くものだ。それは、組織がリーダーの「内面」には一切手を触れず、ひたすら「外面」だけを修復しようとし続けているからである。

ワードのフレームワークの核となるのは、すべてのリーダーが「インナー・オペレーティング・システム(内部OS)」と彼女が呼ぶものに従って行動しているという考え方だ。これは、取締役会の席に着くはるか昔に形成された、深く刷り込まれた信念や自己防衛本能のセットであり、大半のリーダーが自覚することのないまま、その行動を陰で支配している。多岐にわたる対話のなかで、彼女は次のように主張する。AIがパラダイムシフトを加速させ、リーダーシップに求められる能力がより人間的なものへとシフトするなか、この内部OSのアップデートはもはや選択肢ではない。それこそが、リーダー個人、そして組織にとって、最も戦略的な投資となるはずだ。

プログラムの底に潜むプログラム

ワードに言わせれば、リーダーシップ開発業界には構造的な盲点がある。「従来のリーダーシップ開発プログラムは、主に具体的な行動やスキルに焦点を当てています」と彼女は指摘する。「問題は、そうした目に見える外面的な属性は重要であるものの、それらは主に私たちの内部プログラミング、つまり行動を静かに方向づけているマインドセットや信念によって形成されているという点です。大半の人にとって、この内部プログラミングは著しく時代遅れであり、深い自己防衛本能に根ざしています。そのため、複雑な変化や大改革に伴う不快感を受け入れることができなくなっているのです。リーダーが内部プログラミングをアップデートするという、泥臭くも本質的な変革に取り組むのを支援しなければ、新たに習得したスキルや行動は、往々にして長続きしません」

「停滞ゾーン」の罠

この時代遅れの内部プログラミングは、ワードのフレームワークにおいて「スタックネス・ゾーン(停滞ゾーン)」と呼ばれている。これは単に自己満足を比喩した言葉ではない。神経科学的な現実なのだ。「人間は本質的に、不快な状況を避けるようにプログラミングされています」と彼女は説明する。「変化や混乱に直面したとき、その本能が変化を受け入れることを阻むのです。たとえ本人のモチベーションが非常に高くてもです。世界が混乱すればするほど、こうした自己防衛本能は強く働きます。しかし、それは潜在意識のレベルで起こるため、私たちは気づくことができません。ますます複雑化し、激変する世界が求める要求と、人間が生まれ持つ生物学的な本能との間のギャップが広がることで、リーダーは停滞ゾーンに閉じ込められてしまいます。そこでは以前よりも物事が困難に感じられ、過去の戦略が通用しなくなりますが、その理由が本人には分かりません」

過剰達成の罠

ワードの主張のなかで最も直感に反するのは、人を優秀なリーダーへと押し上げる原動力そのものが、いざその立場に就いたときに、知らず知らずのうちに足元をすくう原因になり得るという指摘だ。彼女は、高いパフォーマンスを発揮することと「過剰達成(オーバーアチーブメント)」に執着することは、決して同じではないと注意を促す。「強い労働倫理を持つことと、自分の存在価値や評価がパフォーマンスのいかんによって左右されると感じることの間には、大きな違いがあります」と彼女は言う。「リーダーが過剰達成の衝動に支配されると、常に実績や生産性を通じて自分の価値を証明しようとし続けます。しかし、それではどれだけ成果を上げても満たされることはなく、過度なストレスにつながります。さらに、他者が成果の功績を認められることが自分の価値への脅威となるため、部下を育成することができなくなります。これでは持続不可能であり、リーダーのバーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こす大きな要因となります」

経営陣を支配する「欠陥プログラム」

ワードは、リーダーシップの行動をしばしば見えないところで乗っ取る、心のなかの行動パターンを「欠陥プログラム」と呼び、いくつかの典型的な心理的アーキタイプに分類している。そのなかで、最も顕著なパターンが1つある。「経営幹部レベルで最もよく見られるのが、『カウンターフィット(偽物)』というプログラムです」と彼女は言う。「この欠陥プログラムは、脆弱さ(不確実性、リスク、感情をさらけ出すこと)を恐れます。その結果、リーダーは常に完璧で、冷静さを保ち、人間的な弱さを見せてはならず、時には本来の自分とは異なる何者かを演じなければならないと思い込むようになります。リーダーとしての役職が上がれば上がるほど、このプログラムは活性化しやすくなります」

「それに僅差で続くのが『過剰達成者』と『完璧主義者』のプログラムです」と彼女は付け加える。「経営幹部は通常、優れた実績と優秀さを評価されて昇進します。しかし、それがかえってこれらのプログラムに伴う不安を煽り、常に自分を証明し続けなければならない、絶対にミスや失敗は許されないという強迫観念を生み出すことになるのです」

これらのパターンが組織文化に与えるダメージは、表面上はほとんど見えない。「現在の私たちの反応のほとんどは、大人の自分から生まれているわけではありません」とワードは語る。「私たちが経験するあらゆる感情や、心のなかで作り出すストーリーは、人生の初期に形成された、ある種の意味づけやアイデンティティ、因果関係を生み出すプログラムされた信念体系に基づいています。つまり、『これをすれば、こういう意味になる』という思い込みです。欠陥プログラムに乗っ取られている状態は、本人たちが気づかないうちに、10歳の子どもの集団が自分たちの人生や組織を切り盛りしているようなものです。その結果、本来必要とされる適応力や創造性、協調性が失われ、孤立や自己防衛的な態度が蔓延し、職場の組織文化が損なわれていくのです」

危険信号を察知する

自身の内部OSがアップデートの時期を迎えているかどうかを見極めたいリーダーに向けて、ワードは3つの診断サインを提示している。「最も顕著な兆候の1つは、自分を停滞させ、重要な目標の達成を阻む行動パターンを何度も繰り返していると気づくことです」と彼女は言う。「また、

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冷静に立ち止まって内省する時間を確保するのではなく、常に反射的に行動し続けるモードに陥っていることもサインです。さらに、リーダーが自身の性格特性を『これが自分という人間だから』と固定的に捉えている場合、それも内部OSが時代遅れになっている証拠です」

AIが白日の下に晒すもの

人工知能(AI)の台頭は、人間によるリーダーシップの価値を下げるものではなく、むしろ高めている、とワードは主張する。そしてもう一つ、これまで目に見えなかったリーダーシップの欠陥を無視できないものにしているのだ。

「トレンド分析やプロセスの効率化など、かつて膨大な時間を費やしていたタスクの処理にAIツールが活用されるようになることで、リーダーにはより価値のある仕事に充てる時間が生まれます」と彼女は言う。「その筆頭に挙げられるのが、従業員が尊重され、意欲を持ち、自分の仕事がより大きな目的にどのように貢献しているかを実感できる組織文化を育むことです。また、現在そして将来の仕事の複雑化にチームがよりうまく対処できるよう、能力開発を支援することも求められます。ここでリーダーの能力不足が露呈しがちになります。特に、リーダーがチームをエンゲージし、次のレベルへと導くために不可欠な、生産的で有意義な仕事よりも、プロセスやタスク、目先の忙しさに追われてきた場合にその傾向が顕著になります」

ワードは「DDIグローバル・リーダーシップ予測2025」を引用し、次世代の有能なリーダーを定義づける具体的な人間としての能力について説明する。「成果を上げることは重要ですが、同時に人々が尊重され、価値を認められ、成長できる環境を整えることが不可欠です。また、人間的な体験を犠牲にすることなく、不確実性のなかでも真価を発揮できる、適応力と回復力(レジリエンス)に富んだチームを構築しなければなりません」と彼女は言う。「未来に適応できるリーダーであるためには、本物であること(オーセンティシティ)、共感力、適応力という人間的なスキルを持って導くことが求められます。それによって、より強固なつながりとコラボレーションを促進し、他者に対して『自分が必要とされ、価値を認められている』という自己有用感をもたらすことができるのです」

これまでとは異なる方法で率いる勇気

ワードが描く、これから訪れる未来に最もよく備えられたリーダー像とは、会議室で最も威厳を放つ人物ではない。最も誠実で、最も不快な状況に耐える覚悟を持つ人物だ。

「実践における勇気あるリーダーシップとは、自己認識を高め、立ち止まり、自分自身や他者、そして状況に対して常に好奇心を持ち続けることです」と彼女は語る。「それは、自分の思い込みや判断に固執するのではなく、自ら進んで学びほぐし(アンラーン)、学び直す(リラーン)姿勢を意味します。状況が不快になったからといって、途中で投げ出さないことです。また、個人としても組織としても、自らの価値観を確固たる拠り所とし、それを行動や意思決定の指針とすることでもあります。学習と成長に対してコミットし続けること。そして、勇気あるリーダーシップとは、タスクよりも人を最優先し、自らの過ちを認め、それを正すために努力することなのです」

ワードの思考を貫く一貫したテーマは、厳しいものであると同時に、極めて明確だ。リーダーにとって最も重要なアップデートとは、戦略やスキル、あるいは使用するテクノロジーではなく、自分自身に対するものだということだ。脆弱さよりもパフォーマンスを、好奇心よりも確実性を長く重んじてきた企業文化において、これは実に困難な要求である。しかしワードの視点に立てば、世界が複雑さを増し、より人間的な要求が高まり続ける現代において、これこそが唯一、本当に意味を持つアプローチなのだ。

forbes.com 原文

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