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リーダーシップ

2026.07.09 07:40

バチカンで世界のリーダーたちが向き合うAIの道徳的課題

stock.adobe.com

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先週ローマで、教皇レオ14世は異例の集まりを招集した。企業経営者、国際機関、学者、そしてスポーツ・文化・市民団体の指導者たちが「ボルゴ・ラウダート・シ」に一堂に会し、人工知能(AI)の影響や未来を含む、現代における極めて重大な課題について議論を交わした。

筆者も出席したこの会合は、新たなリーダーシップ・フォーラムである第1回ボルゴ・ダイアローグの一環だった。同フォーラムは、倫理的リーダーシップと共通善の視点から、意思決定者が差し迫ったグローバル課題に取り組むことを支援するために設けられた。3日間にわたり、参加したリーダーたちはオンラインから離れ、公的なコミットメントではなく現実の意思決定を会場に持ち込み、「AIと人間性」「健康と高齢化」「環境の持続可能性」「スポーツ外交」という複数の柱に沿って、自らの産業をどう形づくるべきかを検討し、議論した。

一行は金曜日、教皇レオ14世との非公開の謁見に臨んだ。教皇はこの集まりを「今日、分断され、歴史的な根を忘れつつあるように見える世界において、道徳的リーダーシップを刷新し、再構想することを目指すプロセスの第一歩」と表現した。AIに焦点を当てた5月の回勅Magnifica Humanitasのいくつかのテーマに触れながら、教皇は一行に対し「私たちは、共通善のため、そしてすべての人に尊厳ある生活を促進するための新たな道を見いだそうとしている」と語った。

教皇は、「バベルの塔」を築こうとする誘惑、最も弱い立場にある人々を非人間化しかねない利益の偶像化に警鐘を鳴らしたうえで、「私たちは、愛だけが経済、政治、文化生活の唯一の指針となる『愛の文明』、新しいエルサレムの建設に貢献するよう求められている」と述べた。

この回勅と今回の集まりは、バチカン関係者の枠を大きく超えて注目を集めている。シリコンバレーで最も影響力のある論者たちは長年、AI開発に対する道徳的または規制上の制約に強く反発してきた。2023年の「テクノ・オプティミスト宣言」で「減速」を明確に敵と位置づけたマーク・アンドリーセンは、AIを減速させることは世界を貧困と停滞に追いやるに等しいと主張してきた。教皇レオ14世の回勅と、それに触発されたボルゴ・ダイアローグが、いまや企業の取締役会や国際フォーラムで真剣に受け止められているという事実は、時代の潮流が変わりつつあることを示しているのかもしれない。

この回勅は世俗的な分野からも真剣な関心を集めている。歴史家のジル・ルポールはニューヨーカー誌に寄稿し、教皇による4万2000語の回勅は「人工知能に関するいかなる議論においても、利益や競争優位、効率ではなく、道徳的懸念を中心に据えるべきだという、注目すべき論拠を提示している」と述べた。

その論拠はいま、喫緊に必要とされている。AIがもたらすリスクは多岐にわたり、相互に重なり合っている。情報操作や民主的な言論空間の浸食から、大規模監視、労働者の置き換え、そして技術的な力が極めて少数の手に集中することまで及ぶ。回勅はこれらすべての問題を取り上げ、3つの中心的な主張に立脚している。

第一に、人間性と共通善は技術革新に優先されなければならず、効率ではなく真実が指針となるべきだという点である。回勅は「偽情報はAIによって始まったわけではないが、今日ではAIの中に強力な増幅装置を見いだしている。コンテンツ、画像、動画を操作する能力は、人々を偏った、あるいは誤解を招く見方にさらす」と警告する。そして「真実の探求は民主主義の不可欠な要素であり、民主主義それ自体が公共善に貢献する手段である」と結論づけている。

第二に、政府はこれらの新技術の規制に関与する必要がある。回勅は、このデジタル革命において「最上位にあるのは国家ではなく、むしろ日常生活の条件に対して事実上の権力を行使する主要な経済・技術主体である」と正しく指摘している。教皇が述べる格差は抽象的なものではない。エヌビディア、アルファベット、アップル、マイクロソフト、アマゾンのわずか5社の合計時価総額は20兆ドル(約3240兆円)を超え、欧州の5大経済大国のGDP合計を上回る。どの政府も国際機関も、これらの数字に遠く及ばない資源しか持たない。教皇が記したように、「データとアルゴリズムのガバナンス」を「一握りの主体が単独で決定する」ままにしてはならない。

そのために回勅は、国家と国境を越えた機関に対し、「地域社会、中間組織、学校、大学、宗教機関、各種団体が発言権を持ち、人々の日常生活に影響を与える選択の識別に貢献できるよう、公正なルールと効果的な保護措置を確保する」ことを求めている。

そして最後に、教皇レオ14世は回勅全体を通じて、これらの新技術と共通善の関係について、私たちが共有された責任を引き受けるよう訴えている。ただし教皇は、その障害についても冷静に見据えている。今日のAI開発は「権力の文化」によって動かされており、その速度は熟慮の余地をほとんど残さない。減速することは弱さではなく、この問題に正しく対処するための前提条件だと教皇は論じる。教皇が提示する代替案は、「真の交渉の文化」であり、それは「人々と国家の共存の主要な手段であり、開かれた対立に代わるもの」としての対話に根ざしている。つまり、教皇の説明によれば、技術を拒絶することによってではなく、「技術を独占的支配から解放し、議論と討論に開くことで、人間に親和的なものとし、人間の文化と生活様式の多元性へと取り戻す」ことによって、技術を非武装化するということである。

その共有された責任には、実際に誰がAIの開発とガバナンスを形づくっているのかを直視することが含まれなければならない。この革命を推進している国々と企業は、世界人口のごく一部を代表しているにすぎない。人類の大多数がアクセスできない共通善は、共通善とはいえない。

今日、世界で最も優秀なエンジニアたちは、一見すると無限の可能性を秘めた、ますます強力な技術を開発しようと激しく競い合っている。しかし、これらの製品が実用化されるとき、それらはしばしば、政府と民間セクターの双方で倫理的リーダーシップが不足する、価値判断を欠いた世界に入り込むように見える。この不安定な文脈において、ボルゴ・ダイアローグを際立たせているのは、場所でも登壇者でもなく、実践共同体の形成である。教皇レオ14世の回勅が道徳的羅針盤を示すものだとすれば、ボルゴ・ダイアローグは、世界のリーダーたちがそれに従う方法を学ぶ場になるかもしれない。

forbes.com 原文

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