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宇宙

2026.07.11 09:15

JAXAが探査機と会話できるAIを開発へ はやぶさとの対話も現実に

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宇宙を旅する探査船に、「今どこにいるの?」と尋ねると現在位置を話してくれる、そんな未来がやってきそうだ。JAXAは、人工衛星や探査機などの宇宙機に特有の声や話し方などの個性を持たせ、その運用管理を会話形式で可能にするほか、一般の人たちも宇宙機と会話できるようにする対話型認知インターフェースの構築に向けた検討が開始された。

これは、民間企業とJAXAとの共創による新宇宙事業を創出するプログラム「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ」の枠組みにより、民間企業のイディナと共同で推進される事業だ。目的のひとつには、擬人化した魅力的な宇宙機との会話を可能にして、一般の人々にミッションをより身近に感じてもらおうという広報の狙いもあるが、もっと重要な役割もある。

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宇宙機の運用では、人間の運用者同士は言葉で会話しながら仕事を進めていくが、宇宙機とのコミュニケーションはおもにデータのやり取りで行われる。一方、長期ミッションの探査機や宇宙ステーションの場合は、数値化できない知見が多く蓄積される。そうした知見は共有しづらく、それにもとづく運用は属人化しやすい問題がある。そこで、宇宙機自身がそのような「暗黙知」を言葉で説明できるようになれば、運用はずっとスムーズになるというわけだ。

JAXA宇宙科学研究所太陽系科学研究系准教授の村上豪氏は、探査機が「声」を持つことで「探査機自身がそのチームの一員となりチームワークを強化できる」と話している。

もちろん、多くの人にミッションを理解してもらい、応援してもらうことも大切だ。そこでイディナが有する個性化AI「RaShiSaAI」(ラシサイ)が重要となる。これは、人間的な会話を実現するAIだが、ブランド、地域、施設、作品、プロジェクトなどの固有の雰囲気、価値観、語り口などを尊重した、それ「らしさ」を生み出す技術だ。それが、各宇宙機にふさわしい個性や声や話し方などを与えてくれる。そうして、親しみやすいキャラクターが誕生するはずだ。

対話型認知インターフェース「Mission Buddy」は、人間と宇宙機とをつなぐ基盤になる。これを整備することで、運用関係者のみならず、研究者、教育機関、一般利用者などが宇宙機にアクセスできるようになり、「幅広い価値の創出」が期待できるということだ。

このプロジェクトは2026〜2027年度にかけて実施され、プロトタイプの構築、実際の運用現場、相模原キャンパスの展示館「宇宙科学探査交流棟」での実証を行い、対話型認知インターフェースの価値を検証する予定になっている。

小惑星探査機「はやぶさ」では、それを擬人化した漫画『はやぶささん』が話題となり、フィギュアの「はやぶさたん」も人気を呼んだ。そうした宇宙機と直接会話ができるようになれば、宇宙ミッションへの支持は爆上がりするだろう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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