米国時間7月7日、スペースXの株価急落にともないイーロン・マスクの推定資産額が減少した。一方ウォール街は、同社が人類に与えうる潜在的影響力は「これまでに目にしたどの企業よりも大きい」と評価している。
スペースXの株価は7日、7%近く急落して新規公開時の価格である150ドルを下回った。また、この日はテスラの株価も4%以上下落している。
スペースXの株式48億株と同社のストックオプション3億5000万株、さらにテスラ株式約7億株を保有するマスクの資産額は、この株価下落によって582億ドル減少(約9兆4300億円)し、総額9412億ドル(約153兆円)となっている。
7日には複数の証券会社がスペースX株の投資判断を開始した。その中で最も強気な見方を示したのはレイモンド・ジェームズのアナリスト、ブライアン・ジェスアルで、彼はスペースXが「次世代の産業能力を支える基盤プラットフォーム」を構築していると主張した。「かつて鉄道や送電網、インターネットが過去の時代を再定義したのと同じように、スペースXは次世代の産業能力を支える基盤プラットフォームを構築していると我々は信じている」
また、JPモルガンのアナリストらも、「スペースXの野望、および人類に与えうる潜在的影響力は、我々がこれまでに目にしたどの企業よりも大きい」と指摘している。
一方、同社でアナリストを務めるラジャット・グプタはテスラとスペースXの合併の可能性に疑問を投げかけており、両社の提携は「理論上は戦略的な整合性があり」、互いの事業を補完し合えるものの、規制当局による承認の獲得は困難を極めるだろうと記している。
レイモンド・ジェームズが提示したスペースX株の目標株価は800ドルだ。これは新規株式公開(IPO)時の価格の500%近い水準であり、実現すれば同社の時価総額は10兆ドル(約1620兆円)を大きく突破することになる。他の証券会社をみると、アリート・リサーチが401ドル、モルガン・スタンレーが300ドル、ゴールドマン・サックスが205ドルの目標株価を設定している。証券各社による目標株価の平均は236ドルだ。
フォーブスが試算するマスクの資産額は、6月に記録したピークの1兆4500億ドル(約235兆円)から5000億ドル(約81兆300億円)以上減少している。記録的なIPOの後にスペースX株の勢いが衰えたほか、マスクの保有する制限付きテスラ株式のうち1160億ドル(約18兆8000億円)分が資産推計から除外されたことで、彼は「トリリオネア(資産額1兆ドル超えの大富豪)」の地位から転落した。
スペースXの将来に対して強気な見方を示すアナリストが増える中でも、先週以降、マスクの資産額は1兆ドルの大台を挟んで上下に変動し続けている。テスラに対して一貫して強気な見方を示すウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブズは先週、スペースXを「テック市場において最も差別化された資産の1つ」と呼び、通信、ロケット開発、AIインフラの分野で「主要なハイパースケーラーになる体制が整っている」と主張した。



