中国当局が、同国の主要なAIモデルへの海外からのアクセスを制限する可能性について協議している。米国時間2026年7月6日、ロイターが報じた。対象となり得るモデルの多くは、重みを公開している、いわゆるオープンウェイト型のモデルである。
中国政府はここ数カ月、最先端かつ低コストなモデル、人材、そしてスタートアップを囲い込むための措置を相次いで講じている。これには、Meta(メタ)に対してAIスタートアップであるManus(マナス)の20億ドル(約3240億円)の買収を解消するよう命じたことや、中国に関連する企業への外国投資の差し止めなどが含まれる。皮肉なことに、こうした厳しい規制が、一部の中国人創業者が米国へ移住する動きを生んでいると、2026年3月にForbesが報じていた。
米AI企業に中国勢モデルが広がる──遮断なら事業リスクに
一方で、米国のAI企業ではオープンウェイトの中国勢モデルの採用が広がっている。これらはOpenAIやAnthropicの主要モデルに比べて60〜90%安価になり得ると、CNBCが報じた。加えて、開発者はモデルの挙動をより細かく制御できる。
米国企業がさまざまなAIモデルを使い分けて処理を実行できるようにするスタートアップに、OpenRouter(オープンルーター)がある。同社によれば、中国勢モデルに振り向けられる処理量は着実に増え続け、現在は約30%に達しているという。アーリーステージのスタートアップの一部は、トラフィックのすべてをDeepSeekのような中国企業が開発したモデルに切り替えている。中国がアクセスを遮断した場合、こうした企業にとっては深刻な問題となり得る。
Reflection(リフレクション)は、オープンウェイトの基盤モデルを開発するAIスタートアップだ。同社でプロダクト担当バイスプレジデント兼オープンソース責任者を務めるジョセフ・スピサックは、一部の企業が中国のAIエコシステムに「ロックイン(囲い込み)」されるリスクがあると指摘する。中国製のAIモデルの使用に慣れてしまったり、その上にアプリケーションをすでに構築してしまったりしている場合はなおさらだ。「1度その技術から抜け出せなくなると、ある種の慣性が働き、そこから離れることがますます難しくなる」とスピサックは語る。
中国が自国AIモデルに対する輸出規制を実施する可能性は、Reflectionにとって強力な追い風になり得る。Reflectionは2024年、中国に対抗する米国発のオープンウェイトの選択肢を目指して設立された。創業したのは、Google DeepMind(グーグル・ディープマインド)の研究者だったミーシャ・ラスキンとイオアニス・アントノグルーだ。出資者には、ドナルド・トランプ・ジュニアがパートナーを務める1789キャピタルが名を連ねる。評価額250億ドル(約4.05兆円)の同社だが、オープンウェイトモデルをまだ一般には公開していない。
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