(3)考え抜いた質問をする
最後のステップは、相手の話をさらに広げる助けになり、同時に、あなたが本当に関心を持っていることを示す。尋問のようである必要はない。「それはどんな感じだった?」「もう少し聞かせて」といった、やさしい明確化の促しが最も効果的だ。要は、その会話から学びたいという姿勢を示すことにある。
アクティブ・リスニングが関係において価値を持つのは、今まさに求められている「心理的安全性」を根づかせる点にこそある。「この人は自分の話を真摯に聴き、受け止めてくれる」という信頼があれば、本音を口にする恐怖は劇的に和らぐ。これは安全な場をつくるうえで不可欠でありながら、現実には極めて希少なメリットでもある。
そしてこれこそが、スキルとしての「発信(コミュニケーション)」と「受信(傾聴)」が交差するポイントだ。どれほど優れた発信をしても、それが適切に受信されなければ価値は霧散してしまう。どれほど丁寧に表現された感情であっても、聞き手が上の空であったり、自己防衛的であったり、あるいは「次に自分が何を話すか」ばかりを考えていたとしたら、その言葉は意味をなさなくなってしまう。
話題が仕事での出来事やふと思ったこと、冗談といった些細なものであれ、二人の関係の存続にかかわるような深刻なものであれ、原則は同じである。「聴く」ことは危機的な状況のために取っておくものではない。日々の標準的な習慣であるべきだ。一方が話し、もう一方が聞く。これは、2人が交代で必ず守るべき譲れないルールである。どちらかが動揺しているなら、もう一方はまず、なぜそう感じているのかを理解するために聴かなければならない。どちらかがうれしいことを共有したいなら、もう一方は、その前向きさを分かち合うために聴く必要がある。良好な関係というのは何よりも、こうした双方向のやり取りに支えられているのだ。
あなたは、自分には聴く力があると思うだろうか。私の研究に基づく「能動的・共感的傾聴尺度(Active-Empathic Listening Scale)」で、相手の言葉をどれだけ深く受け止め、理解し、そして適切に応答できているかを確かめてほしい。


