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2026.07.07 09:46

ウォーターパークの達人が率いる中東テーマパーク産業の躍進

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テーマパーク産業で中東ほど急速な成長を遂げた市場は多くない。ここ10年だけでも、ワーナー・ブラザース、DCコミックス、シーワールド、マーベル・コミックス、ドリームワークスといったエンターテインメント界の巨大ブランドをテーマにしたアトラクションを備える新たなパークが次々に開業した。さらにハリー・ポッターやディズニーのアトラクションも加わる見通しで、ユニバーサルも進出が噂されている。オーランドでさえ、このラインアップにはかなわない。そして、それを実現するには魔法の杖をひと振りする以上のことが必要だ。

2月末以降、中東は戦争に揺れているが、計画されているプロジェクトのいずれかが中止になったことを示す兆候はない。実際、このレポートが説明したように、アブダビのヤス島にあるワーナー・ブラザース・ワールドは先ごろ、予想外にも来月にDCテーマの新ライドを開業すると発表した。ここまでの献身には、十分な理由がある。

アブダビはアラブ首長国連邦(UAE)の首都であり、同地域の他国と同様、その莫大な富は化石燃料によって築かれてきた。だが埋蔵量が減り始めると、2030年までに経済を多角化する画期的な計画に踏み出した。

「ビジョン2030」として知られるこの構想では、ガスと石油の利益が、観光客を呼び込み、地元企業へのビジネス機会を拡大するためのレジャーインフラ整備に投じられてきた。テーマパークはこの戦略の最前線にある。遠方から観光客を呼び寄せるだけでなく、巨大複合施設は数百万人規模の受け入れ能力を持つ。訪れる人が増えるほど地域消費が拡大し、アブダビ経済はより多様化していく。

近隣のドバイも同様に「ビジョン2030」による多角化計画を掲げており、カタールやサウジアラビアなど周辺国も同じだ。サウジアラビアは昨年、世界最高・最速のジェットコースターを擁するシックス・フラッグスのパークを開業した。中東各国が記録破りのテーマパークを建設するのは、自慢するためではない。より多くの観光客を呼び込み、長期的に経済を安定させるために、その分野のリーダーを目指しているのだ。政府資金によるテーマパークモデルであり、そこには「魔法の手触り」がある。

中東で最も人気のあるパークはヤス島に集積しており、ワーナー・ブラザース・ワールドが先頭を走る。ドバイのKhaleej Times紙のこの報道が明らかにしたように、2023年、ワーナー・ブラザース・ワールドは中東で初めて、Themed Entertainment Association(TEA)の「Global Attractions Attendance」レポートに掲載されたパークとなった。ヤス島はそれで満足しなかった。

パークの高い質は、目的地全体で3800万回を超える来訪を後押しし、この上昇傾向は2025年も続いた。ヤス島は夏季に過去最高を記録し、来訪者数は前年同期比15%増、ホテル平均稼働率は85%に達した。今年の地域情勢の混乱でさえ、この勢いを止められなかった。

筆者が報じたように、紛争のさなかでも、ヤス島のパークは親子連れで混雑していた。実際、ヤス・ウォーターワールドが新しいスライドタワーを公開した際には、開業初日の早い午後には定員に達したほどだ。

ヤス島開発会社ミラルの先駆的な最高経営責任者(CEO)であるモハメド・アル・ザアビは、来場者を改札口へと引き寄せ続けるための「魔法の方程式」を守ってきた。その戦略の核心にあるのは、各パークが前作を上回る存在でなければならないという強いこだわりだ。アル・ザアビは私にこう語った。「次の体験は前の体験より良くなる。ミラルではそれを常にやっている。基準を押し上げ続けるのだ」

このアプローチにより、ミラルはディズニーやユニバーサルと並ぶ世界有数のテーマパーク開発会社となった。魔術ではなく、創意工夫と努力の成果である。

一流のテーマパークやエリアを建設するには、最大で1万人規模の作業員と、ジェットコースターメーカーや造形・装飾の製作会社から衣装業者、塗料ディストリビューターに至るまで、数百のサプライヤーが必要になる。数多くの新アトラクションが控える中、建設プロセスだけでも中東経済は大きな押し上げを受けるだろう。もちろん、地域全体で活動水準が高まるほど、強固な業界団体の必要性も増す。

その証左として2月、国際遊園地・アトラクション協会(IAAPA)は、中東・北アフリカ・レジャー&アトラクション協議会(MENALAC)と提携し、IAAPA Middle East North Africa(MENA)オフィスを立ち上げた。業界の二大勢力の結合である。私が報じたように、IAAPAはアトラクション分野の事実上の世界標準として認知されており、MENALACは中東で業界アドボカシーにより名を上げてきた。

中東のテーマパーク標準

2016年に設立されたMENALACは、地域の利益を代弁し、業界標準を引き上げ、主要なステークホルダー全カテゴリー間の協働を促進することで、大きな影響力を発揮してきた。IAAPAとの連携により、地域に根ざした教育、アドボカシー、調査、リソース、そしてネットワーキング機会の拡充を提供しつつ、地域の専門家をIAAPAのグローバル・コミュニティにつなぐ。要するに、新オフィスはMENALACの地域的専門性とIAAPAのグローバル規模を結び付け、情報共有を促進する枠組みをつくるものだ。

このパートナーシップにより、安全、教育、メーカー、サプライヤーを担うローカル委員会が設けられ、さらにIAAPAとMENALACのメンバーで構成されるIAAPA MENA地域アドバイザリーボードも発足した。ボードは優先事項と戦略を導き、その議長はIAAPAのグローバル理事会にも定期的に席を得て、地域組織が上位組織と直接つながることを担保する。

これほど多様なステークホルダーを牽引する人物を見つけるのは容易ではない。IAAPA MENAの会員には、小規模なファミリー・エンターテインメント・センター(FEC)や専門サプライヤーから、世界でも最も著名なテーマパークまでが含まれ、しかも急拡大する市場のなかで運営されている。異なる利害を同じ方向へまとめるには、地域とその慣習に対する深い経験に加え、高度なビジネス手腕とアトラクション産業の知見が不可欠だ。

適任者はマイク・リグビーである。ウォーターパークの世界最大級のデザイナー兼メーカーであるホワイトウォーターで約13年働いた業界のベテランだ。前職で得た経験は、事業者が業界団体に何を求めるのかを理解するうえで極めて貴重だが、それはほんの始まりにすぎない。

世界的なエンターテインメントブランドが中東を無視できないと判断するずっと以前から、この地域のアトラクション・シーンはウォーターパークが主流だった。最先端のスライドを導入することで、ウォーターパーク運営者は著名な知的財産(IP)を契約しなくても国際的に存在感を示せる。この原動力により、中東はウォーターパークで記録を次々と更新し、ドバイのアトランティス・ザ・パームにある巨大なアクアベンチャーなど、世界最大級の施設も生まれた。

灼熱の気候によりウォーターパークは瞬く間に大人気となり、運営者は差別化のために、さらに多くの記録破りのスライドを追加し、テーマ演出もより没入的にしていかねばならなかった。その結果、世界一高いウォータースライドを備えるカタールのメリアル・ウォーターパークや、4月に開業し世界最長・世界一高いウォーターコースターを擁する精緻なアクアラビアが誕生した。

これらのパークの人気と高いクオリティは、ハリウッドのスタジオにこの地域への進出を決断させた。その多くはホワイトウォーターによるところが大きい。同社は、アクアベンチャー、メリアル、アクアラビア、そしてヤス・ウォーターワールドの拡張など、中東の象徴的パークの数々を手がけた。ヤス・ウォーターワールドは、おそらく世界で最も精緻にテーマ化されたウォーターパークであり、その点はアブダビのThe National紙の報道でも説明されている。

リグビーの存在により、こうした極めて複雑なプロジェクトは計画どおりに進み、中東は国際アトラクション界で鮮烈な存在感を示した。彼は現在、IAAPA MENAのバイスプレジデント兼エグゼクティブディレクターとして、水上のみならず陸上のアトラクションにもその才覚を生かしている。まったく新しい世界だが、彼が言うには、目標は依然として、地域が波頭に居続けることにある。

予想外のキャリアパス

とりわけ注目すべき成果なのは、リグビーが当初この業界で働くつもりはなかったからだ。「言ってみれば、私はほとんど偶然と成り行きでアトラクション業界に入り込んだようなものだ」と彼は語る。「当時、私はスペインのバルセロナに住み、テレビと通信の仕事をしていた。ある日、LinkedInで『世界を旅してウォーターパークを売りたいか?』という広告を目にした。断れる人がいるだろうか?」

リグビーは業界経験がなかったため返事はないだろうと思いつつ、ホワイトウォーターに履歴書を送った。だが数カ月後、同社から連絡が入った。一連の面接を経て、メキシコで休暇中だった彼は、チームとオーナーに会うためバンクーバーに来てほしいという電話を受ける。

「メキシコにいたので、必要なら明日でも行けると答えた」と彼は説明する。「それで48時間後には、ホワイトウォーターのオーナーとバンクーバーにいて、最後には『パーク・アトラクション部門(当時はPrime Playと呼ばれていた)の欧州・中東・アフリカ・ロシア・インド担当VPとしてホワイトウォーターに加わらないか』というオファーが提示された」

リグビーはこれを受諾し、数カ月後、仕事初日のためにオーランドへ飛んだ。それは偶然にも2013年のIAAPAオーランド展示会のタイミングだった。「その時点で私はホワイトウォーターについても業界についてもほとんど知らず、オープニングレセプションで初めて人々と話し、この業界とホワイトウォーターについて少しでも理解しようとした」と彼は言う。

さらに「そこで、業界の大きなプレーヤーの1社に入ったのだと理解できたのは良かった。それ以来、学びと成長の連続だった。ホワイトウォーターのPrime Play部門で、ドバイ・パークス・アンド・リゾーツのプロジェクトにも関わることができたのは幸運だった」と付け加える。

2年後、ホワイトウォーターのオーナーであるジェフ・チャターは、ドバイへの移住を検討してはどうかと彼に提案した。リグビーはこう説明する。「ここにはグラハム・ロッキーという非常に成功した紳士がいて、引退を考えていた。移行計画を検討しており、私に中東へ来てドバイオフィスを開設し、当地での存在感を本格的に伸ばしてほしいと言われた。私は幸運にも、中東・アフリカにおけるホワイトウォーターのウォーターパーク部門とその他すべてを統括できた。この地域で最も刺激的なプロジェクトのいくつかに関われたのも幸運だった。カタールのメリアルは高さ85mのスライドタワーを持ち、最近開業したアクアラビア、紅海のADRENA、グランド・ハイアット、ジャングル・ベイ、レゴランド・ウォーターパーク、サルワ、ラグーナなど、ほかにも数え切れない」

ホワイトウォーターで12年を過ごした後、IAAPAのMENA地域を率いる機会に出会った。「地域団体のMENALACや、EMEA[欧州・中東・アフリカ]地域のThemed Entertainment Association、そしてIAAPAにも関わってきたので、自然な流れに思えた」と彼は語る。

成長する市場

IAAPAが地域オフィスを開設するには、適切なタイミングだった。「MENAのレジャー市場は、人々が思うほど新しくはない」とリグビーは言う。「たとえば、1990年代後半に開業した[ドバイのウォーターパーク]ワイルド・ワディのように、すでに25年、30年に近いプロジェクトもある。だが過去10〜15年で、政府が従来の収益源からの多角化を図り、レジャーと観光を長期的な財政安定の手段として明確に位置付けたことで、この地域は確実に指数関数的な成長を遂げた」

IAAPAはEMEAの枠組みの下で以前からこの地域に関わってきたが、独立した市場として認識する時が来ていた。「ドバイ・ホールディングやドバイ・パークス、IMG、アトランティス、そしてミラルが手がける素晴らしいプロジェクトによって、UAEでは指数関数的な成長が見られた」とリグビーは語る。「そしてごく最近ではサウジアラビアでも、PIF[公共投資基金]がレジャーをビジョン2030戦略の一部として明確に位置付けた。地域全体で観光が伸びていることも言うまでもない。北アフリカは目的地になった。トルコではアンタルヤが年間1500万人超を集め、複合用途のエンターテインメントを中心に成り立っている。さらに中東の他地域でも、レジャーが観光を牽引する要素として増してきた」

この成長を受けて「IAAPAはこの地域を注視し、会員の声に耳を傾け、会員が何を望むのかを見てきた。会員はこの地域でより多くの露出と支援を望んでいた」と彼は言う。「すでに地域団体MENALAC(Middle East North African Leisure Attractions Council)が存在し、最終的にMENALACとIAAPAが統合して新しいIAAPA MENA支部を形成することで合意した」

これにより、業界に関わる地元企業は自らの代表を持てるようになる。「これまでの取り組みを基盤に、MENA地域として次の段階へ進むことになる」とリグビーは言う。「IAAPA MENAオフィスは、会員がこれらのイニシアチブを推進できるよう支援し、この産業が発展するために必要な追加支援を提供していく」

これらはすべて、米国のIAAPAオフィスとの緊密な統合なしには実現できない。リグビーは「IAAPA MENAとIAAPA USの関係により、グローバル知見と地域専門性を組み合わせたシームレスな協働が可能になる。機能の多くは地域に置かれ、地域の視点とノウハウを持ち込む。だが本部の専門性と経験も見落とせない。グローバル機能が指針や専門性を提供し、そこにローカルの要素を加える。まさに二人三脚だ」と語る。

MENAオフィスとIAAPAの世界各地の拠点は日々連絡を取り合っている。「ただし市場はどれも同じではなく、私たちの仕事はローカルの支援を確実に提供することだ」とリグビーは言う。「その地域ならではの差別化を提供し、会員のために、ニーズを理解し、そのニーズに反応できる体制を整える」

地域を変える

リグビーは長年の顧客としての視点を持ち込む。「メーカー/サプライヤーの立場で10年以上IAAPAに関わってきたが、いま私はテーブルの反対側に座っている。私の役割は、会員に提供する価値と支援を推進することだ」と彼は言う。「目標もビジョンも無限にある」

新たな役割における主な目標は3つだ。「アトラクション産業、とりわけ会員にとっての第一のリソースになること。世界のあらゆる地域でグローバル産業を結び付けること。私にとっては特にMENA地域に焦点を当てることになる。そして、業界のあらゆる領域を代表し、すべてのステークホルダー、すべての地域、アトラクションの世界に内包されるすべてを確実に守ることだ」と彼は言う。

さらに「アトラクション産業は従来型の施設の枠を超えている。私たちが時間をどう過ごすか、家族とどう過ごすか、家からどう出て、どう楽しむか、そのすべてに関わる。だからこそ、より広いオーディエンスと広い地域に向けて発信していきたい」と付け加えた。

未来へのビジョン

リグビーは、ビジョン2030が「間違いなくMENA地域のレジャーおよびアトラクション産業に前向きな影響を与えた」と考えている。「巨額の投資と注目があり、あらゆる人に機会が生まれた。サウジアラビアを見ると、今年だけでもシックス・フラッグス・キディヤとアクアラビアが開業した。どちらも驚異的な開発で、世界規模で人々を驚かせるだろう。多くの人がこれらの開発を見るためにこの地域に来たがっているのも、すでに目にしている。紅海にはADRENAがある。Saudi Entertainment Venturesは複数の施設を開業する準備を進めており、国の景観を変えていく」

さらに、ビジョン2030以前からサウジアラビアで事業を展開していたBAAN HoldingやAl Othaimなど、国内に複数拠点を持ち地元市場のレジャーとエンターテインメントを牽引する企業も、相当なビジネスを生み出していると付け加えた。

彼はこう説明する。「ビジョン2030は確かにMENA地域への注目を生んだが、それはすでに進んできた取り組みの上に積み上がっている。GCCの他国を見ても、多くが独自のビジョンプランを持ち、焦点はレジャーとエンターテインメントにある。カタールでは素晴らしいパークがいくつも開業した。オマーンは新たなプロジェクトを検討中だ。北アフリカは引き続き活況で、トルコのアンタルヤは観光ホットスポットとなり、素晴らしい施設が数多くある。そしてUAEを忘れるわけにはいかない。UAEはいま、世界有数のレジャー目的地の1つだ」

彼はこう語る。「こうしたビジョンが重なり合うことで、この地域に焦点が当たり、MENA地域がレジャーのホットスポットであることを世界のオーディエンスに認識させる。そしてそれは皆に利益をもたらす。確かに競争する局面もあるが、パイを大きくするために協力もしている。全体として、この地域は繁栄し続けると想像しているし、成長が続くと見ている」

逆境が生む機会

リグビーは、イラン戦争が地域に一定の課題を生んでいることを認める。「残念ながら、マクロ経済や政治要因が常に業界に影響することは無視できない」と彼は言う。「観光が落ち込めば、レジャーとエンターテインメントにも影響が及ぶ。同様に、景気が後退すれば可処分所得は減る。だが多くは私たちの手の届かないところにある。だからこそ、私たちが注力できるのは、手元で対処できる領域と課題だ」

彼は最も注意を要する領域を特定している。「最大の課題の1つは、これほどのスピードで開業する数多くの素晴らしいプロジェクトに、どう人員を確保し配置するかだ」と彼は言う。「市場もセクターも成熟途上にある。だから、テーマパークやウォーターパーク、FECの経験者が何万人も、そこらの通りで見つかるわけではない。新しい人材を業界に呼び込み、育成する必要がある。だがそれには時間がかかる」

そのためには「IAAPAだけでなく、多くの会員が大きな努力を払う必要がある」と彼は言う。「この業界に人を呼び込み、認知を広げ、人々がこの業界に入りたいと思うようにすることに注力しなければならない。そうして初めて、これらの素晴らしいプロジェクトに求められ、期待される水準のスタッフ配置が実現する。結局のところ、私たちは世界でも最高の目的地をいくつも持ち、サービスは体験全体に大きく影響する。世界の専門知を生かして現地スタッフを育成し、世界水準の体験を提供できるノウハウを身に付けてもらう。それを確実にするのは私たち全員の責任だ」

一方で、こうした課題は業界に大きな機会ももたらす。「機会という点では、私にとって限界はない」と彼は言う。「観光は成長を続けるだろう。レジャーへの注目も高まるはずだ。人々は、店が並ぶだけのモールに行くだけでは満足しない。プールがあるだけのホテルに行きたいわけでもない。人々はもっと求めている」

市場が変化しているのは「体験をどう高めるか、皆が模索しているからだ」と彼は言う。「自由時間の価値はこれまで以上に高まっている。そして、共有体験を生み、記憶をつくることを求めている。レジャーとエンターテインメントはそこに大きく関与する。人の顔に笑顔をもたらすセクターであり、人生を良くし、気分を良くする。だからこそ、私の考えでは、この業界は指数関数的に成長し続け、それは会員にとっての機会でしかない」

成長する地域

「観光は持ち直すと信じている」とリグビーは言う。「MENA地域の観光は成長を続け、その結果、より家族向けの目的地になっていく。家族向け目的地になるには、やることがもっと必要であり、そこにアトラクション産業が大きく貢献できる」

地域では単発のプロジェクトも引き続き見られるだろうが、今後は不動産や小売に牽引される、より大規模な複合用途開発の一部となるケースが増えると彼は見る。

例として彼が挙げるのが、フダイリヤット島のアトラクション「Surf Abu Dhabi」だ。「不動産が追随し始めているのが見える」と彼は言う。「リゾート内に目的地を生むアンカーになる。ジャングル・ベイ、グランド・ハイアット、ランド・オブ・レジェンズのような存在は、ホテルのパフォーマンスを支えるアンカーだ。競争型ソーシャライジングの成長トレンドも見える。これはアクティビティとF&Bを結び付ける。トップゴルフはその好例で、Brass Monkeyもそうだ。サウジアラビアではSaudi Entertainment Venturesが、複合施設内でサーフィンができるフローハウスを発表している」

現在のトレンドとして「人々はもっとやりたいし、もっと体を動かしたい。スクリーンに向かってばかりいる状態から離れる必要があり、レジャーとエンターテインメントはそれを助ける」と彼は言う。「幼い子どもがいる私自身の経験でも、週末は自己完結型のプレイセンターに行くことが多く、常に需要があり、需要は増えていく。イノベーションも必要だ。人々は互いに、より大きく、より良く、より優れたものをつくり、体験を高めようとし続ける。全体として、この業界の成長は続き、人々はもっと求めるようになる」

彼は、テーマパークが人間同士の交流を生み出す手段だと見ている。「以前、世界には人々を本当に結び付ける3つの領域がある、と言った人がいた」と彼は言う。「スポーツは、隣に見知らぬ人が座っていても、同じチームを応援するという共有体験を分かち合える。いまワールドカップが行われていることを考えると、極めて分かりやすい。次にコンサート。好きなアーティストを見に行けば、隣の人と一緒に楽しめる。相手を知らなくても、まったく別の地域、別の背景でも、ステージ上のアーティストへの共通の関心がある。そしてレジャーとエンターテインメントも同じだ」

さらにこう説明する。「息子を見ていると、ウォーターパークに行って5分もしないうちに、初対面の子ども10人と遊んでいる。同じように私も、ジェットコースターに乗って、乗り終えたときに隣の人と笑い合ったことがある。レジャーとエンターテインメントは、社会が一つになる助けを多くしている。楽しい記憶をつくり、共有体験を生み、それが私たちの生活を豊かにする」

こうした効果があるからこそ「未来は明るい。人々はそれを求めている。私たちは皆、懸命に働き、スマートフォンに時間を費やしすぎ、テレビを見て、SNSに時間を使う。だがそれでは、レジャーやアトラクションが生み出す共有体験ほどの関与や報酬は得られない」と彼は言う。

誇りに思うこと

リグビーはIAAPAでの新たな役割に豊富な経験を持ち込む。「業界全体を支えられるのが待ちきれない。恩返しがしたい。MENAのアトラクション産業の発展に、私はほんの小さな役割を果たしたにすぎないと思うが、いまは、もっと多くの人が同じことをできるためのプラットフォームを提供したい」

ホワイトウォーター時代には「MENA地域の信じられないようなプロジェクトに関われたのは本当に幸運だった」と彼は言う。「レゴランド・ドバイやモーションゲートの最初のプロジェクトは、当時何も分からなかった自分がそれでも提供に関われたという意味で、いまもとても愛着がある。そして近年のプロジェクトは、世界的に認知され、グローバルなエンターテインメントの景観に影響を与えるものになっている」

それには、テーマパーク史上でも特筆すべき成果が含まれる。「カタールのアイコン・タワーは、ウォーターパークという文脈で二度と繰り返されないのではないかと思う」と彼は言う。「80m超、1つのタワーに数え切れないスライド。本当に驚異的だ。見上げれば、建築とエンジニアリングの驚くべき成果だと分かる。そんなアイデアが生まれたこと自体が信じられないし、見るたびに鳥肌が立つ」

際立つ瞬間はそれだけではなく、キディヤも最高の栄誉として挙げる。「2017年からアクアラビアのプロジェクトに関わってきた」と彼は言う。「それがついに開業し、私たちがプロジェクト全体を形づくる役割を担えたと分かるのは信じられない。そして紅海のADRENA。サウジアラビアにサーフィンを持ち込んだ。誰が、中東に果てしないサーフプールを持ち込むと思っただろうか。そしてヤス・ウォーターワールドは、私の最後のプロジェクトの1つだった拡張で、それが実現したのを見るのは素晴らしい」

しかし、業界で働くなかでの最大の誇りは、こうした目立つ成果ではないという。「たぶん3〜4カ月前、2歳の子どもを初めてウォーターパークに連れて行ったときだと思う」と彼は言う。「ドバイの[ウェスティン・ミナ・セヤヒにある]ジャングル・ベイに行った。妻と一緒で、私たちはスライドを楽しんだ。もちろん小さな子ども用のスライドを何度も繰り返すだけだったが、息子は身長制限の最低ラインをちょうど満たしていて乗れた。ある瞬間、息子が妻の方を振り返って指をさし、『パパのウォーターパーク』と言った。それで、やる価値があるのだと実感した」

さらにこう語る。「私たちは、他の多くの人のためにやっている。自分のためにやっているわけではない。記憶をつくり、体験をつくるためにやっている。私がつくったものを息子が楽しめて、それを自分のものとして思い描き、笑顔を見せてくれた。それで十分だった」

いまIAAPAの舵を取る立場となった彼は、地域の業界で働く人々にとって、同じような誇らしい瞬間を生み出す手助けができる。

Additional reporting by Chris Sylt

forbes.com 原文

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