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AI

2026.07.07 09:00

「AI俳優」のティリー・ノーウッドが新作長編映画で初主演へ

パーティクル6のエライン・ファン・デル・フェルデンCEO(Florencia Tan Jun/Sportsfile for Web Summit via Getty Images)

パーティクル6のエライン・ファン・デル・フェルデンCEO(Florencia Tan Jun/Sportsfile for Web Summit via Getty Images)

AI俳優のティリー・ノーウッドを生み出した制作会社のパーティクル6は、ノーウッド主演の新作長編映画『Misaligned(原題)』を発表した。ハリウッドでAIをめぐる激しい論争が巻き起こる中、本作はAI俳優を起用したこれまでで最も大胆な試みとなる。

パーティクル6(Particle 6)が制作するこの新作長編映画で、ノーウッドは自身初の主演を務める。

ノーウッドはAIによって生成された「女優」であり、エンターテインメント業界におけるAIの存在感の高まりを象徴する存在となっているが、同時に業界内からは猛烈な反発を招いている。

パーティクル6が米国時間7月6日に発表したプレスリリースによると、本作は「AIの存在をめぐる混乱を織り交ぜた、コメディ調の成長物語」になるという。ストーリーは、AIであるノーウッドが「はぐれボット」にそそのかされながら、より人間らしい性質を身に付けていくという内容だ。

映像は完全にAIで生成されるものの、同社は6日、AI技術を用いた作品制作に関心のある従来の映画制作者も公募する意向を示した。制作現場では、AIの専門家と、従来の映画監督や脚本家、編集者らが協働して作業を分担することになる。

作品はまだ初期の企画開発段階にあり、最終的な公開時期は現時点では決まっていない。

ノーウッドの主演決定をめぐっては、すでに大きな論争が起きている。俳優労働組合のSAG-AFTRAは2025年9月、ノーウッドを非難する声明を出し、「描き出せる人生経験を一切持っていない」AIは俳優とは呼べず、実在の俳優たちが演じた作品を無断で学習することで作られたものだと指摘した。同組合は、AI俳優が「実在する表現者の生計を脅かし、人間の芸術的価値をおとしめている」と主張し、「人間の俳優を合成技術に置き換えようとする動向に反対する」との姿勢を鮮明にしている。この声明に先立ち、多くの俳優もノーウッドを痛烈に批判していた。女優のエミリー・ブラントは、AI俳優の誕生は「恐ろしい」ことだと表現し、「絶望的な状況だ。本当に、心底恐ろしい」と危機感をあらわにしていた。

パーティクル6の創業者兼CEOであるエライン・ファン・デル・フェルデンは、2025年に史上初のAI「女優」であるノーウッドを生み出した。ノーウッドは同社が今後展開していくAIキャラクター群の第1弾とみられており、「超リアルなデジタルスター」をマネジメントするAIタレントスタジオのシコイア(Xicoia)の設立も発表されている。エンターテインメント業界から猛烈な批判を浴びる中、ファン・デル・フェルデンはAIが人間の仕事を奪うという懸念を否定し、ノーウッドをアニメーションや人形劇になぞらえた。昨年9月の声明では、「(ノーウッドは)人間の代替ではなく、創作物であり、1つの芸術作品」だとされ、「(人間を)置き換えるものではなく、実験的な試みを象徴するものだ」と主張されている。今回の長編映画化の発表に先立ち、パーティクル6は3月にノーウッド主演のミュージックビデオを公開した。その映像の中でノーウッドは、自身への批判に応じるかのように「これは次の進化、それが分からないの? AIは敵じゃない。それは鍵なんだ」と歌い上げていた。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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