幸福に関する助言の多くは、単純な前提に依拠している。目標は「気分を良くすること」であり、そこへ至る道筋は、より前向きに考え、挫折を捉え直し、物事の「いい面」を探すことだ、という前提である。
しかし、感情に関する相当量の研究は、もう少し奇妙で、そしてある意味ではより解放的なことを示唆している。ウェルビーイングと最も一貫して結びつくマインドセットは、「良い感情を生み出すこと」とはほとんど関係がない。むしろ重要なのは、良くない感情に人がどう向き合うかである。
感情調整を研究する心理学者たちは、困難への対処がうまい人は、ネガティブ感情をあまり経験しない人ではないことを繰り返し見出してきた。そうではなく、ネガティブ感情が訪れたときに、それを追い払おうとして戦うのではなく、受け入れることを学んだ人である。
心理学者のアイリス・マウス教授とその共同研究者を含むこの分野の研究者たちは、この性向を「感情の受容(emotional acceptance)」と呼ぶ。怒り、悲しみ、不安に対して、それらを「何かが間違っている証拠」と見なすのではなく、好奇心と非判断の姿勢で向き合うことを指す。
最も必死に幸福を追う人ほど、幸福が「後回し」になる理由
この知見が直観に反するのは、その「方向性」にある。この種の受容を実践する人は、時間の経過とともに心理的健康が良好だと報告する傾向があり、全体としてネガティブ感情も少ない。逆に、感情を抑え込んだり、「そんなふうに感じるのはやめよう」と自分に言い聞かせたりすることに懸命な人は、その傾向が弱い。こうしたパターンは、『Journal of Personality and Social Psychology』に掲載された2018年の研究でも支持されている。同研究は、実験室での測定と6カ月間の縦断的調査の両面から参加者を分析した。
この背後にあるメカニズムは、素直に整理すると理解しやすい。感情を「判断」すると、最初の不快感の上に、二次的な不快感(連鎖して生じる不快感)が積み重なる傾向がある。不安そのものでも十分に不快だが、不安を感じたうえで「不安になる自分」に苛立つと、状況はかなり悪化しやすい。管理が難しい状態へと螺旋状に悪化するのは、元の感情というより、この2層目であることが多い。
この考え方を基盤とする臨床的枠組みであるアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT:Acceptance and Commitment Therapy)は、反対の習慣に名称を与えている。「体験の回避(experiential avoidance)」、すなわち望ましくない内的体験から逃れたり抑え込んだりしようとする反射的努力だ。
数十年にわたる臨床研究は、体験の回避が不安や抑うつの発生率を下げるのではなく、むしろ高めることと関連すると示してきた。Journal of Contextual Behavioral Scienceに掲載された2022年のメタ分析では、400本超の研究と13万5000人超の参加者の知見が統合され、抵抗が苦痛を和らげるのではなく、しばしば苦痛を燃料にしてしまうことが示唆されている。
こうした研究は、表面上は無害に聞こえるものの、実際には別の形で作用しがちな「通説」を捉え直す。すなわち、状況にかかわらず、ひたすら明るくあり続けようとする本能である。



