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2026.07.06 16:35

土壌カーボン市場の成否を左右する「誰も合意できない測定」とは

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1086年のイングランドで編纂された「ドゥームズデイ・ブック(Domesday Book)」は、王国にあるあらゆる犂(すき)や牧草地に値段を付けようとした。今日、土壌の会計係はさらに奇妙な仕事をしている。6月24日、イスラエルのバイオ農業企業Groundwork BioAgは、米国の農地においてVerraのVM0042基準に基づき発行された、最初の検証済みカーボンクレジットを発表した。発行量は1万9568ユニットで、SCS Global Servicesによる第三者検証を受け、すでに購入者も確保されているという。

発行量自体は小規模だ。しかし、その意味するところは決して小さくない。およそ10年にわたり、土壌炭素は再生型経済における次なる巨大コモディティとして売り込まれてきた。通常の耕地を複合的な資産へと変える第2の収益源だという触れ込みである。年金の資産配分担当者は、将来の約束ではなく、実際に納品された在庫を待ってきた。いま、ひとつのサンプルが手に入った。

しかし、彼らが手にしていないものがある。その在庫がどのように測定されたのかについての合意だ。

土壌カーボン市場は2つの陣営に分かれ、その亀裂は広がっている。一方は、現時点ではGroundwork BioAgが代表例で、オーガー(穿孔器)を土に差し込み、サンプルをラボへ送って燃焼させ、炭素含有量を測る。もう一方は、カリフォルニア拠点のBoomitraが主導し、衛星画像と、100万件超の地上サンプルで学習した機械学習モデルを用いて、軌道上から土壌炭素を読み取る。どちらもVerraの承認を受けている。どちらもクレジットを生む。だが、同じエーカーに対して同じ数値は出ない。市場が「誰のトンがトンなのか」で合意できるまで、土壌炭素は信頼性ディスカウントで取引され続け、機関投資家の資金はその割引を織り込むことができない。

「積み上がる1エーカー」という約束

農学的な理屈は十分に単純だ。菌根菌は、植物の根に共生して糖を受け取る代わりに栄養分を運ぶ微小なパートナーであり、植物が約4億5000万年前に陸上へ進出して以来、この働きを続けてきた。耕起や肥料に依存する工業型農業は、この共生関係の多くを壊してしまった。Groundwork BioAgのRootella製品ラインは、商業用接種材によってそれを回復させるという。同社によれば、その結果、根系は地下で実質的に10倍から100倍に拡張され、菌類は炭素が土壌へ入る主要な経路として機能する。

これが1エーカーにとって何を意味するかというと、肥料効率の改善、収量の小幅な増加、そしてGroundwork BioAg自身のデータによれば、年あたり1エーカーにつきCO2換算で1.5〜3.5トンの隔離が見込めるという。登録面積は2023年の約9000エーカーから、現在では米国中西部、南部中域、カナダのプレーリー地域を中心に70万エーカー超へ拡大した。同社は、米州全域にある減耕起農地4億5000万エーカーをアドレサブル市場と見積もる。

CEOのアロン・ウェルバー氏は、今回の発行に合わせた声明で、この節目を「CDRの聖杯:スケーラブルで、耐久性があり、検証可能」と表現した。同じリリースで引用されたVerraの最高経営責任者マンディ・ランバロス氏は、VM0042方法論は農地管理の「厳格で科学に基づく会計」のために設計されたと述べた。その方法論が、それを一貫して実現できるのか。そこから話が面白くなる。

ラボか、アルゴリズムか

Groundwork BioAgのプログラムを規定するVM0042 v2.0は、定量化のアプローチを2つ認めている。第1は生物地球化学モデルに依拠するもの。第2はVerraが「測って、再び測る(measure and remeasure)」と呼ぶもので、プロジェクト開始時およびその後の一定間隔で物理サンプリングを行い、処理区を未処理の対照区と比較する。Groundwork BioAgは第2を選んだ。土をラボへ、乾式燃焼、第三者チェックである。

これは高コストの選択肢だ。だが支持者によれば、現時点でリスク回避的な買い手が理解できるのは、これだけだという。

「物理的なベースラインから、アルゴリズムで逃げることはできない」。Groundwork BioAgの最高成長責任者ダン・グロツキー氏はメールでそう述べた。「ボランタリー・カーボン市場が抱えるのは技術不足ではなく、信頼不足だ。機関投資家の買い手は、実体のないクレジットや、地面で具体化しないモデル由来の推計を拒んでいる」

Boomitraは反対の主張をするだろう。同社は土壌炭素でVerra承認を得た最初のリモートセンシング・プロジェクトであり、現在はインド、アフリカ、ラテンアメリカで約500万エーカーをモニタリングしている。モデルはSentinel-2衛星画像と、同社が100万件超のジオリファレンス付き土壌サンプルのアーカイブと説明するデータを融合する。Boomitraの売りは、遠隔モニタリングが土壌炭素の測定コストを90%以上削減できるという点だ。測定コストこそが、小規模農家や小面積農場を市場から完全に締め出してきた要因だからである。

この分裂は机上の議論ではない。Indigo AgのMRVチームによる2024年のJournal of Environmental Management掲載研究は、米国の耕地55万3743ヘクタールに機械学習ベースのパイプラインを適用したところ、正味の削減量がおよそ39万8408tCO2eになったと報告した。ただし、単一の農法が与える影響には、空間的・時間的に無視できないばらつきがあった。アルゴリズムは機能する。場所や年によって、よりうまく機能する場合と、そうでない場合がある。別の2025年の論文では、Sentinel-1とSentinel-2のデータにXGBoostモデルを組み合わせ、新潟(日本)とアグベロウヴェ(トーゴ)のサイトにまたがる土壌炭素予測で決定係数R²が0.91だったと報告している。抽象的には見事だ。だが買い手が「不足している0.09は、自分の1ヘクタールにあるのか、それとも別の誰かのものか」と問うたとき、その見事さは薄れる。

標準策定団体はこれまで、どちらかを選ぶのではなく、両方の手法を受け入れてきた。その結果、市場は分断される。あるプロジェクトは物理的に検証された耐久的除去として価格が付く。別のプロジェクトは、モデル推計として価格が付けられ、リバーサル(逆転)リスクに対する保険プールが付随する。第3のプロジェクトは両者を混ぜる。買い手が現場でトン数を比較することは、実際にはリンゴとSentinelのピクセルを比べるようなものだ。

永続性という問い

測定の問題のさらに下には、より深い問題がある。たとえ今年どれだけの炭素が土壌へ入ったかで全員が合意できたとしても、それがどれほど長くそこに留まるのかについて、完全な合意はない。

Groundwork BioAgが永続性の根拠として挙げるのは、MAOM(Mineral-Associated Organic Matter:鉱物結合性有機物)であり、同社はそれが数世紀から数千年にわたり耐久的だと説明する。グロツキー氏によれば、Rootellaプログラムを通じて隔離された炭素のおよそ70%がMAOMとして貯留されるという。根拠は同社自身の圃場試験である。仕組みを平易に言えば、菌類が分泌する化合物が土壌鉱物と化学的に結びつき、微生物が分解しにくいプールを形成する。

一方で、査読済み論文が示す全体像はより複雑だ。レイ・チェンらによる2012年のScience掲載論文は、大気中CO2濃度が高い条件では、アーバスキュラー菌根菌が土壌炭素の純減を生む可能性があることを示し、菌根菌が一様に有機炭素を分解から守るという前提に疑義を突き付けた。その後の研究では、かつて菌根土壌に炭素を固定する分子として称賛されたグロマリンが過大評価だった可能性も示されている。プロテオミクス解析により、グロマリンとして抽出されたものの多くが、実際には菌根由来ではないことが示唆された。これらはGroundworkの主張が誤りだということではない。科学が決着済みではなく、現在進行形であるということだ。

菌根炭素クレジットを、直接空気回収(DAC)のように価格付けすべきかどうかを問う機関投資家の買い手にとって、ここが構造を支える核心である。工学的CDRは、炭素を鉱物や地質学的形態で封じ込めるため、永続性は主に地質の問題であって、生物の問題ではない。菌根炭素は、耐久的なMAOMの分画であっても、いつか誰かが耕起するかもしれない畑に存在する。

年金基金が買う前に必要なこと

土壌カーボン業界の誰に聞いても、ニッチな商品を機関投資家向けの投資項目へ変えるには何が必要かという問いへの答えは、だいたい3点に収れんする。グロツキー氏は私への取材でこう述べた。将来クレジットを前倒しで計上する約束ではなく、一貫した実績あるデリバリー履歴、市場全体で耐久的炭素と非永続的炭素の違いについての収束、そして単一の合意された測定基準である。

彼の指摘はそれぞれ正しい。現状の土壌炭素は、クレジット市場の形をしていながら、その規律を欠いている。先物的な販売が、実際に納品された在庫を上回ってきた。競合する方法論が同じレジストリ内で並存する。リバーサルリスクの扱いも一貫しない。これらは基礎となる科学の欠陥ではない。会計ルールよりも早く成長した市場が抱える、未整備の配管なのである。

この状況を前にした年金の資産配分担当者は、担当者がいつもすることをする。大きくディスカウントし、待つ。ディスカウントとは不一致の価格である。Groundwork BioAgの6月の発行は、パイプラインを実証済みのデリバリーへ変換することで、そのディスカウントを縮める。Boomitraの拡大する足跡は、測定コストを十分に引き下げ、小さな面積の農地をそもそも市場に参加させることで、別の形でそのディスカウントを縮める。どちらも、塵が収まった後に信頼性がどのような姿になるかへの賭けである。

ただし、グロツキー氏の回答には示唆的な細部がひとつある。第三者によるラボサンプリングを採用する菌根炭素企業であるGroundwork BioAgは、将来的に自社の機構論的モデルを構築するためのトレーニングセットとして、物理データを活用する計画だという。つまり、アルゴリズム測定に賭けない側の陣営でさえ、最終的に市場がアルゴリズム測定へ到達すると見込んでいるということだ。問題は、それを訓練するベースラインを誰が所有するのかである。

1086年のドゥームズデイ委員会のほうが楽だった。犂を数えるのは一度きりの測定であり、誰かが新たに犂を買うまで答えは変わらない。炭素の計測は連続であり、答えは計測器具に依存する。土壌炭素の「計測器具の問題」が決着しない限り、この資産は土そのものとは無関係なディスカウントで売られ続けるだろう。土の読み方をめぐる不一致こそが、すべてなのである。

forbes.com 原文

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