2026年6月23日、淡路島に新たなリトリート施設が誕生した。
その名も「THE PASONA natureverse retreat」。
食・運動・睡眠を軸に、専属のウェルネスコンシェルジュが未病ドクターと連携し、一人ひとりに最適なプログラムを設計。「未来の健康」を見据えた長期滞在型のリトリート/オールインクルーシブな別荘である。
筆者は、そのオープニングセレモニーに参加した。
海を望むロビー。淡路島の食材を生かした料理。自然の中で、心身の感覚が少しずつ開いていくような環境ーー。そこにあったのは、単なる高級宿泊施設ではない。問われていたのは、「人は何のために生きるのか」という根源的なテーゼであった。
「健康を持ち帰っていただきたい」
「豪華なホテルは、日本にもたくさんありますし、この施設よりも素晴らしいところもあると思います。しかし我々は、来ていただいた方にしっかり体験していただいて、体が元気になったり、心が豊かになったりするのを感じて頂き、本来の自分が持つ『健やかさ』を持ち帰っていただくことを大事にしたいと思っています」
Pasona Resort代表取締役社長の大日向由香里氏のこの言葉にTHE PASONA natureverse retreatの思想が凝縮されている。
従来のラグジュアリーは、豪華な空間、洗練されたサービスによって成立してきた。しかし、いま本当に希少になっているものは何か。それは、自分自身の心身の声を聞く時間だという。
情報に追われ、AIによって多くのものが代替される時代において、「本来の自分に戻る」ことこそが、最も贅沢な体験になるというのだ。
コロナ禍で気づいた、淡路島の価値
大日向氏が淡路島に移住したのは、コロナ禍の2020年だった。
当時、東京では一人感染者が出るだけで会社がクローズし、満員電車への不安も高まっていた。働く人々のストレスは大きく、企業にとってもリスクが増していた。そんな時期に淡路島へ来て、彼女は大きな違いに気づいたという。
「東京と何が違うかというと、ストレスがないんです。自然の中でゆっくり何もしない時間を過ごすことが、こんなに贅沢なんだと気づかされました」
さらに驚いたのは、食の豊かさだった。都心では高級店に行かなければ得られなかったような食材が、淡路島では身近にある。新鮮な野菜、肉、魚。日々の食卓そのものが豊かになる。
「こんな食材が豊かなところに、星付きレストランの方たちが来て、この素材を使って料理してくれたらすごいだろうなと思っていました」
淡路島は神戸から30〜40分ほど。橋を渡れば到着する。東京の感覚で言えば、お台場へ行くような距離感だという。



