わたしたちは先月、小型FPVドローン数十機を用いて2車線の道路橋を崩落させた攻撃について報じた。現在目にしているのは、ある意味それを大規模化したものとも言える。橋の支持構造に繰り返し打撃を与え、それを少しずつ削り取っていけば、最終的に橋全体を崩落させることができるのだ。
この「じわじわ破壊」手法では、各ドローンは先行するドローンによって生じた損傷を徐々に拡大させていくために、正確な箇所へと誘導される。このプロセスは数日継続されることもあり、それがかえって戦果の拡大につながる場合もある。
6月22日夜、ウクライナ軍のドローンは、クリミア北西部ロズドリネ村付近で北クリミア運河に架かる鉄道橋を攻撃し、一部を破壊した。翌日、現地のレジスタンス組織のメンバーは、鉄路補修用の特殊機材が現場に到着したと報告した。その夜、ドローンは再び攻撃を加え、橋の残りの部分を崩落させるとともに、その補修用機材も破壊した。
このダブルタップ戦術により、ウクライナ側は目標の橋を落としたのみならず、今後の攻撃による被害の復旧にも必要になっていたはずの補修用機材もロシア側に失わせた。
一方、ウクライナ東部ドネツク州フラニトネ村では、片側2車線の道路橋が複数のFP-2による攻撃を受け、支持構造が次々と破壊された結果、両車線とも崩落したと伝えられる。投入された機数は「20機超」とする報告もあるが、ファイア・ポイントの主任設計者デニス・シュティレルマンはソーシャルメディアで現場の画像に添えて「3機」と書き込んでいる。
この食い違いは、攻撃にデコイ(おとり)ドローンも投入されていたためかもしれない。あるいは、ロシア側が防御の失敗を言い繕いやすくするために数を水増ししたのかもしれない。
ミサイルドローン「Ruta」も投入
RUSIのワトリングによれば、一部の橋に対する攻撃には別の兵器も使用されている。「Ruta(ルータ)」だ。ワトリングはこれをドローンではなく巡航ミサイルに分類しているが、「ミサイルドローン」と呼ばれることもある。
ドローンと巡航ミサイルを分ける境界は曖昧であり、その区別はある意味便宜的なものだ。大半のドローンはプロペラで推進するが、ジェットエンジンを搭載するものもある。ロシアのシャヘド(ゲラニ)のように、プロペラ推進とジェット推進の両方のタイプが存在する機種もある。


