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起業家

2026.07.09 07:30

古いノートPCに新たな命を吹き込む若き起業家の挑戦

向かって左下側にある箱状の物体が「プロジェクト・ハイブマインド(Project Hivemind)」。一般には「eGPU」と呼ばれるコンパクトな外付けGPUボックスと同様のものだ。スワロフスキー財団が公開している動画より。(C)Swarovski Foundation

修理か、再生か、それともアップグレードか

ハイブマインドとは別のアプローチでこの課題の解決に挑む企業もある。その代表格が「フレームワーク・コンピューター(Framework Computer)」だ。同社は、ユーザー自身が修理やアップグレードを行えるノートPCを設計・製造している。端末を買い替えるのではなく、必要な部品だけを交換できるのが特徴だ。「Framework Laptop 16」には、アップグレード可能なグラフィックス機能が搭載されている。さらに「Laptop 13」シリーズでは、後継モデル向けに発売された部品でも初代モデルとの互換性が維持されている。

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フレームワークは、アサレの発想を製品設計そのもので実現している。従来のノートPCに後からアップグレード性を加えるのではなく、最初からアップグレードを前提とした設計を採用しているのだ。

一方、「サーキュラー・コンピューティング(Circular Computing)」は、異なるアプローチを採る。同社は、使用済みの法人向けノートPCを標準化された工業プロセスで再製造している。そのプロセスは英国規格協会の認証を受けており、新品と同等の性能と保証を備えたコンピューターの提供を可能にしている。

この手法は、多数のPCを運用する企業や教育機関、政府機関にとって特に有効と考えられる。個々の端末に外付けGPUを追加するよりも、PCを再製造して再配備する方が、環境面とコスト面の効果を見込みやすいからだ。

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また、欧州の電子機器メーカーであるフェアフォン(Fairphone)の取り組みは、もう1つの重要な示唆を与えている。同社は、部品交換のしやすさや修理の容易さ、長期にわたるソフトウェアサポートを前提に、スマートフォンやオーディオ製品を設計している。その根底にあるのは、製品の寿命は物理的な耐久性だけで決まるわけではないという考え方だ。デバイス本体が壊れていなくても、ソフトウェアの更新やセキュリティサポートが打ち切られ、交換部品も入手できなくなれば、使い続けることは難しくなる。

ハイブマインドも同様の課題を抱えている。ノートPCのグラフィックス性能を向上させても、劣化したバッテリーが回復したり、不足するメモリーが増えたりするわけではない。また、OSのサポート期間が延長されるわけでもない。つまり、同社の製品が真価を発揮するのは、グラフィックス性能の不足がPCを使い続ける上で障壁となっているケースだ。

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編集=朝香実

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