誰もが一度は経験したことがあるはずだ。メールだけで部下の血圧を上げる上司、容赦ない批判を浴びせる上司、到底達成できない基準を突きつけて部下に自分の能力について疑問を抱かせる上司ーー。医師やセラピストよりも上司は自分のメンタルヘルスに大きな影響を与えると従業員は言う。また、扱いにくい上司は従業員が退職を決断する理由の上位にも挙げられているが、厳しい上司は皆避けるべきというわけではない。
この記事のタイトルは非常に逆説的で、読み進めるのをためらってしまうかもしれないが、どうか付き合ってほしい。このテーマはあなたが思っている以上に役立つ可能性がある。時には最も厳しくあなたを追い込むリーダーが最も多くのことを教えてくれる人になることもある。
もちろん、それは虐待やいじめ、有害な行動を容認すべきという意味ではない(もしあなたが上司なら、「有害な上司になっている5つのサイン」を確認してほしい)。だがキャリアにおいて最も価値ある教訓のいくつかは、私たちを快適なゾーンの外へと踏み出させる人から得られるものであることを認識すべきだ。
厳しい上司の下で成長するための3つのヒント
厳しい上司の下で成長することについてジョン・ハウエルほどよく理解している人はいないだろう。米陸軍の上級将校のハウエルはリーダーシップに関する洞察力によってインスタグラムで7万人超のフォロワーを集めている。ハウエルは自分がこれまで仕えた中で最も厳しい指揮官こそが、自分にとって最高の師の1人になったと語る。ただ、その経験の価値を真に理解するまでには何年もかかったという。
職場での難しい人間関係への向き合い方についてアドバイスを求める若いプロフェッショナルが増えている中、ハウエルの体験談はまさに今、私たちに重要な気づきを与えてくれる。厳しい上司をすぐにキャリア上の障害とみなすのではなく、「この人から何を学べるだろうか」という問いを自分に投げかけるようハウエルは勧める。厳しい上司の下でも成長するために、ハウエルの3つのヒントを紹介する。
1. 困難なときでも学ぶ姿勢を持つ
多くの従業員は、優れたリーダーシップとは励ましや肯定的な評価を与えてくれるものだと考えている。前向きなフィードバックは重要だが、不快感なしに成長が実現することは滅多にない。
すべての教訓が前向きなものばかりとは限らない。ハウエルは昔、オックスフォードカンマやフォントサイズといった細かな点について指揮官から厳しく注意された。ハウエルは当初、そうした指摘に憤りを感じていた。だが数年後、自身が指揮官になった時、かつて口うるさく教え込まれたテンプレートや細部へのこだわりを自分もそのまま使っていることに気づいた。当時は単なる揚げ足取りだと思えた指摘が、実は正確さや一貫性、プロ意識を身につけるための訓練だったのだ。
この教訓は軍隊に限ったものではない。高い成果を上げる組織は細部への徹底したこだわりによって他と一線を画していることが多い。顧客への提案書の作成、経営陣へのプレゼンテーション、報告書の作成など、さまざまなシーンで些細なミスが信頼を損なうことは少なくない。
教えられている内容と自分の感情的な反応を切り離せる従業員は、単に口調が厳しいという理由だけで批判を無視する従業員よりはるかに早く成長することが多い。重要なのは、そのフィードバックが心地よいものだったかどうかではなく、自分の成長につながる情報が含まれているかどうかだ。



