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AI

2026.07.06 07:40

なぜAIは「ミッションなき企業」を救えないのか

stock.adobe.com

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AIが成し得る革命的なことは多いが、できない大きなこともある。とりわけ重要なのがこれだ。AIは、自社が何を体現しているのかを理解していない企業を救うことはできない。

残念ながら、あまりに多くの企業がこの点を理解できていない。彼らはAI機能を軸に企業アイデンティティを築こうとしている。中には、たった1つの機能や製品リリースを軸にアイデンティティを構築しようとする企業すらある。

これは陥りやすい罠である。AIがあらゆる業界を席巻し、既存の構造を打ち崩していくなか、人々が流行に乗りたくなるのは自然なことだ。だが、明確に定義されたブランドアイデンティティがないまま突き進めば失敗につながる。研究と現場の成果は、より良い道があることをますます示している。

「テクノ決定論」よりミッションが勝る

長年にわたる数多くの研究は、ブランドがミッション(使命)主導であるほど市場でのパフォーマンスが高いことを示している。これを裏付ける最新の研究の1つが今年公表された。「ブランドDNAの中核要素として、ビジョン、ミッション、パーパス(存在意義)は、ブランドの未来を狙い定めて形づくるための安定的な枠組みを提供し、その結果、戦略的一貫性と両立する柔軟性を確保する」と、研究者のDaniel NeyeとJoachim Bongardは記している

こうした組織は、どのようにAIに向き合うのか。新たな研究によれば、「組織の主権とミッションの完全性を強化し、同時にミッションに不可欠な人間中心のアプローチを保持できる場合にのみ前に進む」ことで成功している。

彼らは「商業や政策の言説に一般的なテクノ決定論的ナラティブに抵抗する、条件付き採用の形態を実践している」と著者らは説明する(「技術決定論」とは、技術が文化を規定するという理論を指す)。こうした企業は、AI導入を「技術が制度的価値を前進させ、主権を守り、コミュニティとの信頼を維持できるかどうかに依存するもの」と位置づけている。

要するに、AIは目標達成に役立つとき、必要な場所でのみ使うということだ。自社が何を体現しているのかを手放さない。

これは、利益よりも目的を重視する組織にしか通用しない戦略だと切り捨てたくなるかもしれない。しかし、ハイレベルな分析は、あらゆる種類の企業が同じ道筋に従うべきだと示している。

AIの大成功はまれだが「見える」

PwCは2026年版のAI Business Predictionsレポートで、「今日、AIから並外れた価値を実現している企業はごく一部にすぎない」と嘆いた。それでも「成功は見えるようになってきている」と付け加える。「AIを使って最先端のオペレーティングモデルやビジネスモデルを構築するとは、どういう姿なのかが、いまや分かるようになった」という。

そのモデルの中核にあるのは、企業が何を成し遂げようとしているのかについての明確さだ。「あまりにも多くの組織が、取り組みを広げすぎている」とレポートは指摘する。しかし「本当の成果を出すには、AIがビジネスにとって重要な方法で抜本的な変革をもたらせる分野を、精度高く絞り込む必要がある」という。

どのポイントが、特定の企業にとって「意味がある」のか。PwCは、事業の優先順位がAIの価値の証拠と一致している領域に加え、人材とデータの両方の確保可能性に基づいて、AI活用領域を選ぶよう経営陣に助言している。

Deloitteも同様の指針を示している。先進的な組織は「流行の技術を片っ端から追いかける圧力に抗い、戦略目標を真に前進させ、現実の価値をもたらす取り組みを優先している」と、最近のレポートで述べている。

手段はミッションではない

Nextivaでは創業当初から、あらゆる規模の企業にとってイノベーションを民主化することがミッションだと決めていた。シンプルな声明がある。あらゆる企業がFortune 500企業のように見え、感じ、運営できるようにしたいというものだ。現在、当社は多くの中小企業とともに、一部のFortune 500企業にもサービスを提供している。

AIへの向き合い方も、この揺るぎないコミットメントに基づいている。私のチームはAI、自動化、そして最新のカスタマーエクスペリエンス(CX)技術を活用し、企業があらゆるチャネルで顧客とやり取りできるようにし、競争条件を均し、技術投資を将来に備えたものにすることを支援している。

当社がAI搭載の統合型カスタマーエクスペリエンス管理(UCXM)プラットフォームを構築したのは、クライアントが可能な限り最高のCXを提供できるようにするためである。これは、実証済みの成果と事例に裏付けられた、特定の目的を達成するためにAIを戦略的に活用する強力な例だ。

AIはミッションを達成するための手段である。当社の場合、クラウドコンタクトソフトウェアからAIレセプショニストまで、最高のコミュニケーションプラットフォームを生み出すうえで中核をなす。そして技術が再び進化し、新たな機会の世界が開かれれば、当社は同じミッションに沿って提供内容を更新していく。

企業はこうして前進する。破壊的技術への興奮や恐怖に迷い込んではならない。そうではなく、技術を、そもそも何のために事業をしているのかを達成するための次の機会として捉えるべきだ。

forbes.com 原文

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