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サイエンス

2026.07.08 18:00

イヌが「飼い主にべったり」な理由、オオカミから受け継いだ生存戦略

stock.adobe.com

通常のつきまといと、「分離不安症」の違いは?

飼い主にべったりする行動は、その程度に大きな差がある。しかし、その程度があまりにも極端な場合は、臨床的に問題だ。飼い主と一緒に家の中を移動し、そばにいると落ち着きを見せ、何も起きていない時は休んでいるのなら、飼い主のそばにいようとする、ごく普通の行動であり、群れの絆が日常的に表面化したものだ。

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一方、わずかの時間でも飼い主と離れていることに耐えられず、吠えたり、何かを破壊したり、目に見えてストレスを感じていたりするのなら、話は別だ。2015年に『PLOS ONE』に掲載された研究は、こうした行動を「分離不安症」と定義した。愛着が通常の形で発現せず、愛着システムが失調している状態だ。

どちらの場合も、傍から見れば似たような行動だが、原因と対処法は異なっている。飼い主について回るほとんどのイヌは、イヌという種がもともと備えている性質に従って行動しているにすぎない。一方、懸念が見られるイヌの場合は、深刻な不安を抱えていることがあり、行動支援や、場合によっては獣医のケアが必要となる。

違いを正確に見分けたいなら、飼い主と一緒にいる時に、イヌがどのくらい近くに寄ってくるかではなく、イヌが一匹だけにされた時にどう行動するかに目を向ける必要がある。

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また、種の進化と行動の変化について語る場合には、視野を広げることも重要だ。動物が家畜化され、野生だった祖先とは大きくかけ離れた行動を取るようになったとしよう(例えばオオカミが、ヒトの行動を逐一見守り、指差しの意味を読んだり、トイレのドアの外で待ったりする動物へと変化したように)。そういう時、そうした変化を、本来のより自然な姿が損なわれたものとして考えたくなる人もいるかもしれない。しかし、進化とはそういうものではない。

行動が大きく変化し、祖先の基本的な生態と大幅にかけ離れたように思えても、何か本質的に異常が生じた兆候とは限らず、むしろ新しい環境への適応が成功した証拠とも言える。廊下を歩く飼い主の後ろにいつもくっついてくるイヌは、本当の意味で、何千年にもわたる選択圧が作り上げた姿そのものと言える。そして、生物学的な観点に立てば、一見して受ける印象よりも、ずっと奥が深い行動なのだ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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