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サイエンス

2026.07.08 18:00

イヌが「飼い主にべったり」な理由、オオカミから受け継いだ生存戦略

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イヌが飼い主にべったりなのはなぜか

人間に飼われているイヌの愛着行動を研究する行動生物学者によると、ヒトの乳幼児で立証されている愛着行動である「安全基地(セキュアベース)効果」とよく似た現象が、イヌでも確認されている。これは、2013年に『PLOS ONE』で発表された研究による実験で裏付けられている。

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この実験では、イヌを不慣れな環境下に置いた。飼い主がその場に一緒にいた時のイヌは、積極的に辺りを探索し、すぐに落ち着いたが、飼い主がいなくなると、目に見えて動揺したという。

重要なのは、見知らぬ人がその場にいても、イヌの不安を和らげる効果は得られなかったことだ。人間一般ではなく、愛着を抱いている人だからこその効果なのだ。こうした結びつきは、乳幼児と養育者の間に生まれる絆と類似しているが、それは偶然ではない。乳幼児と養育者、イヌと飼い主の関係のいずれにも、進化的なロジックが反映されている。つまり、他者に頼らざるを得ない個体が、信頼できる保護者のそばにいようとするのは進化の影響だということだ。

ここで見えてくるのは、イヌの社会的認知においては、ヒトは単なる「食料の供給源」ではなく、集団をまとめる要なのだ。イヌが飼い主を追って部屋から部屋へとついて回るのは、神経学的な観点から見ると、オオカミの子が、母オオカミの近くにとどまろうとする行動と同じかもしれない。飼い主の近くにいたがるのは、愛情に由来する甘えの発現ではなく、イヌの組織化の中心にある行動原理なのだ。

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一方で、家畜化されたイヌは、オオカミとは明確に異なる道筋を歩んでいる。オオカミは、たとえヒトに慣れた個体であっても、ある程度は独立して行動するが、ヒトに飼われているイヌのほとんどはそうしない。2009年に『PLOS ONE』に掲載された研究によると、イヌは、人間のアイコンタクトや指差し、感情の揺れに非常に敏感だが、人間のそばで育ったオオカミの場合、そうした様子が見られなかった。イヌのそうした敏感さは、単にヒトと触れ合っているからというより、家畜化そのものが生み出した特性のようだ。

選択圧の理論は、単純明快だ。定住を始めたばかりのヒトの集落になじんだのは、必ずしも、体が大きかったり、狩りに長けていたりした動物ではない。ヒトの行動に非常に敏感で、狭い空間での生活によく耐え、集団のそばにとどまろうという意欲が強い動物だった。そのような選択圧が何千もの世代にわたって続いたのち、根本的な社会的知性が、一緒に暮らすヒトの注視へと向けられる動物が生まれた。多くの飼い主が目にする、部屋から部屋へと飼い主について回るイヌの行動は、より深いところでの再構築が表面化したものなのだ。

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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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