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北米

2026.07.05 08:00

建国250周年の米国、強さを支えてきた柱に揺らぎ

米首都ワシントンにある連邦議会議事堂。米国は2026年7月4日、建国250周年を迎えた=ゲッティ

米首都ワシントンにある連邦議会議事堂。米国は2026年7月4日、建国250周年を迎えた=ゲッティ

ここ数年、学生や元政府高官、企業経営者らと折りに触れて意見交換をする際に、よく聞かれる質問が2つある。ひとつは「米国の強さと世界での相対的な影響力を維持していく鍵は何か」というもの。もうひとつは「いまでも米連邦政府で働くことを勧めるか」だ。筆者は40年近くにわたり、国家安全保障の分野で仕事をしてきた者である。

これらの質問に対して、筆者は普通、米国の強さを支えてきた歴史的な土台(そのひとつは後者の質問に直接かかわる)について自分の考えを説明することで答えている。その土台は次の10本の柱からなっている。(1)南北の友好的な隣国(2)豊富な天然資源(3)強力な同盟関係(4)比類のない経済力(5)技術面の優位性(6)圧倒的な軍事力と情報能力(7)卓越した公務員制度と統治機構(とくに法の支配に表れている)(8)世界トップクラスの防衛産業(9)優秀な移民を引き寄せる力(10)ソフトパワー──だ。

米国建国250周年の祝賀を迎えるにあたり、これらの柱のうち、最近の動向を踏まえるとあらためて検討する価値があると思われるものをいくつか取り上げたい。強力な同盟関係、技術面の優位性、卓越した公務員制度・統治機構の3つである。

強力な同盟関係

過去100年の大半の期間を通じて、米国の同盟ネットワークは世界における米国の力を支える基盤となってきた。このネットワークには、正式な防衛同盟が相互に結びついた体制に加え、非公式の取り決めや、特定の脅威への対処を目的にその都度結成される有志連合も含まれる。このように織りなされた防衛関係のネットワークは、ひいては世界中に広がる米国の広範な経済・貿易関係や外交関係、文化的な結びつきの発展を促進してきた。

にもかかわらず、ワシントンでは近ごろ、同盟国を公然とやり玉に挙げ、防衛面でも貿易面でも米国を利用していると非難を浴びせることが半ば常態化している。こうしたナラティブ(語り)は、過去100年にわたり同盟諸国が米国のグローバルな権力と影響力の拡大に果たしてきた本質的な役割を都合よく見過ごしている。その役割には▽米軍の前方展開能力を支えること▽重大な脅威に関する貴重な情報を共有すること▽米国製の軍事装備を購入して米国の兵器生産ラインの維持コストを抑えること▽安全保障関連技術のイノベーション(革新)を共有すること──が含まれる。

最後の点は今日の議論では見落とされがちだが、より詳しく検討するに値する。たとえば、ドナルド・トランプ米大統領が「大戦争」などと呼んでいる第二次世界大戦で、ドイツの暗号機「エニグマ」の解読に決定的な役割を果たしたのはポーランドと英国の数学者たちだった。その結果、連合国側はドイツの最高機密の軍事通信を解読できるようになった。2014年のヒット映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』にも描かれているように、この功績はナチ・ドイツの打倒に貢献したと広く評価されている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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