あなたはかつてないほど忙しいと感じているだろう。タブが増え、ツールが増え、アウトプットも増えた。AIの挙動を見ながら感覚的に開発を進める「バイブコーディング」やプロンプト作成、AIツールの活用で、仕事のスピードは上がった。だが、思考は遅くなっている気がする。以前なら迷わず下していた判断に、今は二の足を踏む。1日が終わる頃には疲弊しきっているのに、誇れる成果は何もない、という人は多いはずだ。
私が支援している起業家たちも、同じように頭に霧がかかったような状態(ブレインフォグ)を訴えることがある。画面から離れて初めて晴れるような、あの霧だ。
この霧には名前がある。「AIブレイン・フライ」──AIの使用や監視、対話が脳の処理能力を超えたときに生じる精神的疲労のことだ。経営学誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』の記事によると、調査対象となったAIユーザーの14%がこの症状を報告しており、職種によってはその割合がはるかに高かった。
AIによる脳疲労が最も起きやすい職種
この記事は、ボストン コンサルティング グループ(BCG)が米国のフルタイム労働者1488人を対象に実施した調査に基づいている。以下は、AIによる脳疲労を報告した割合を職種別に高い順で並べたものだ。
1. マーケティング、25.9%
2. 人事・労務(ピープルオペレーション)、19.3%
3. オペレーション、17.9%
4. エンジニアリング・ソフトウェア開発、17.8%
5. 財務・会計、16.7%
6. IT、16.0%
7. 営業・新規事業開発、12.5%
8. カスタマーサービス・サポート、10.6%
9. サービスプロバイダー・コンサルタント、10.3%
10. プロダクトマネジメント、8.6%
11. マネジメント・リーダーシップ、8.6%
12. 法務・コンプライアンス、5.6%
マーケティング職の脳は、法務の4倍以上の割合で「深刻な脳疲労」を起こしていた。マーケティング職に就いているなら、AIの利用に伴って、こまめに休憩を取ったりAIの利用方法を見直したりする必要があるかもしれないと考えてみてほしい。



