自己投資の欲望は増加
一方で増加した欲望もある。探求や創造に関する欲望である「腕を磨いたから、腕試し欲望」は、前回比18ポイント増となった。また承認や優越に関する欲望である「他人という鏡に映した欲望」も前回比5ポイント増となった。
特に「腕を磨いたから、腕試し欲望」は、「挑戦したい」「成長したい」「何かを創りたい」といった、スキルアップや自己投資に対する欲望を表すものだ。この欲望は前回まで減少傾向が続いていたが、今回上昇に転じた。さらに2022年5月以来4年ぶりに「心身平常運転の欲望」を上回った。DDDはこの結果を今後の消費をけん引する欲望として注目している。


(2026年5月調査における「欲望未来指数」と「11の欲望」の推移)
暮らしを守る消費から、彩る消費へ
DDDは、コロナ禍後の消費行動をけん引してきたのは「自由でいたい・縛られたくない」「健康でいたい・健康になりたい」といった欲望だったと説明している。一方、今回の結果からは、暮らしや日常を守るための基盤づくりではなく、探求や承認といった、暮らしを彩るもの・コトにお金を使いたいという消費者の気持ちがうかがえるとした。その例として挙げられているのが、近年流行しているシール収集だ。DDDはシール収集について、単に集めることが目的ではなく、自分の感性を編集し、友人関係の中で交換したりSNS上で見せるための「自己表現手段」と解釈できるとしている。
今回の調査から見えるのは、消費意欲が単純に冷え込んでいるというより、消費の向かう先が変わり始めていることだ。コロナ禍以降に強まった「健康」や「自由」への欲望が落ち着き、今は自分を磨くこと、自分らしさを表現することへ関心が移りつつある。生活を守る消費から、自分をどう育て、どう見せるかという消費へ、重心が少し動いているようだ。


