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AI

2026.07.04 11:00

中小企業が「エージェント型AI」でAI競争を制する理由

stock.adobe.com

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AIの統合に取り組む多くの企業が、同じ結論にたどり着いている。問題は技術そのものではないことがほとんどだ。障害となるのは組織そのもの——非公式な権力構造、人々が職業的アイデンティティを築いてきたプロセス、仕事や影響力の流れを再配分するものへの静かな抵抗である。最も先行している企業は「変革」しているのではない。ゼロからつくり直しており、その成果は、誰も予想しなかった業界で見え始めている。

私は最近、ウェルネスやスポーツのリトリートを提供するActiveXplore TravelのCEO、トビー・シモンズ氏に話を聞いた。彼が関わる事業者——リトリートの主催者やキャンプのリーダー——は、参加者にデジタルデトックスを積極的に勧めている。しかしこの業界は、彼らが公の場で疑問視してきたAI駆動のシステムによって、いま動かされ始めている。

シモンズ氏はこう指摘する。「皮肉なことに、ウェルネス業界はスクリーンから離れることを重視しているのに、AIがそれをより身近なものにしている」

AIで構築するか、後付けするか

シモンズ氏がActiveXploreを立ち上げたのは昨年10月にすぎないが、数カ月以内に最初の売上高100万ドルを見込んでいる。一方で、彼の以前の勤務先——65〜70人規模のチームを擁する企業——は売上が落ち込むのを横目に見ている。

理由は明白だ。シモンズ氏は初日からAIを軸に事業を組み立てた。追加機能としてではなく、運用インフラとしてである。リトリート施設が料金を改定したり、航空券コストが変動したりすると、システムが自動で価格を更新する。信託口座は予約に応じて自動配分される。顧客ごとの見積もりは12時間以内に送付され、通常48時間以内に確定する。シモンズ氏はこう語る。「私が働いたどの会社もAIに抵抗し、いまでは70人規模のチームにどう統合するか分からず、皆が右往左往している——使い方も分からない人たちのチームに、どうAIを組み込むかを。だが私は、チームを拡大するときも、AIはワークフローの一部であり、社員が無理に学ぼうとする"何か"ではないと確信している」

シモンズ氏の優位性は、元の勤務先より彼が技術者として優れているからではない。何も変える必要がなかったからだ。既存組織が同じ移行を試みる際の障害は、技術であることはまれである。見えない内部力学こそが問題だ。CEOとして、私もまさにここを過小評価していた。AI変革に取り組む企業と協働するHumanDynamicsでも、この点に日常的に直面している。クリーンスタートは、問題の一群を丸ごと消し去る。白紙のワークフローにAIを組み込むことと、動いている組織に後付けすることの違いは、技術ではない。人間である。

AIファーストの企業を構築する

シモンズ氏のケースが示唆に富むのは、彼が単独で始めたからにほかならない。だが、成果報酬型マーケティング代理店Linearの創業者であるキアラン・フィン氏とエヴァン・キャロル氏はチームとともに構築した——そして数字は、エージェント型AIが既存の労働力に何をもたらすかについて、異なるストーリーを語っている。

Linearは、ECおよびソフトウェアブランド向けに成果報酬型マーケティングを担う。Google、Metaなど複数プラットフォームでのデジタル広告運用であり、クリエイティブ制作に強く重心を置く。広告クリエイティブの量と質は、フィン氏の言葉を借りれば「競合に勝つために、おそらく最大のレバー」である。これを迅速に、しかもスケールして最適化するには、かつてはアカウントごとに何時間もの手作業分析が必要だった——どの広告が不振なのかを特定し、クリエイティブチームにブリーフし、代替案を制作し、アップロードする。Linearはこのプロセスのおよそ80〜90%を自動化した。Claude Codeで開発した独自システムが、全クライアントのライブ広告アカウントデータを監視し、刷新が必要なクリエイティブを特定し、差し替え用アセットを生成し、Metaにアップロードする。数時間かかっていたことが数分で済む。

同じ論理は事業全体にも当てはまる。顧客の感情(センチメント)は自動で追跡される。社内レポーティングは、誰かが手作業で集計しなくても回る。以前は相当なアナリスト工数を要した期間横断のトレンド分析も、いまではAIが、人のレビューより速く不振と機会の両方を見いだす。「より速くトレンドを捉えられる」とキャロル氏は言う。「つまり、うまくいっていないものはもっと早い段階で止められ、無駄な予算を大きく減らせる。逆にうまくいっているなら、その予算を増やして、クライアントにより早く良い結果をもたらせる」

フィン氏によれば、AIを組み込んで以降、Linearの1人当たり売上は2.5倍に増え、収益性は3倍になった。彼らはその利幅を懐に入れるのではなく、より高い水準の人材採用に再投資した。平均給与は2倍以上になった。フィン氏の説明はこうだ。「以前は、本当にスキルが高く高給の人を採用しても、すべて手作業でやっている以上、その人が生み出せるインパクトの量はそれほど大きくなかった。だが今はAIによって、その人の才能をはるかに活用できる——より多くのクライアントを支援できるし、より深く入り込むこともできる」低レベルの手作業が自動化されたことで、シニアの専門性がより価値を持つようになった。

エージェント型AIが違いを生む理由

シモンズ氏もフィン氏も、エージェント型システムを構築した——トリガーから完了まで、プロンプトを待たずに、定義された仕事の一部を自律的に担うAIである。生産性向上は現実だが、上限もある。構造的な優位は、エージェントがワークフローを「支援」するのではなく、「所有」したときに生まれる。

ウォーリック・ビジネス・スクールで私の博士課程の同僚であり、人間とエージェント型AIの協働を研究するアイテン・ハジエヴァ氏は、この移行が大企業でなぜ停滞するのかを正確に特定した。国際企業の安全上重要な機能における数十件の詳細インタビューから導かれた彼女の診断は、エージェント型AIが「優秀な新入りインターン」と同じ問題に直面しているというものだ。1週目には誰もが可能性を感じるのに、3カ月後も会議の要約とデータのクリーニングをしている。誰かが無駄遣いしたいわけではない。だが、実際に「何を所有してよいのか」が明確に定義されていないのである。

彼女のフレームワークは実務的だ。組織内でAIがすでに実際の意思決定に影響を与えている箇所を可視化する。次に、反復的で範囲が限定され、失敗しても影響が小さい意思決定を1つ選び、それを完全に委ねる。既存プロセスにエージェントを後付けするのではなく、エージェントを中心にワークフローを再設計する。その意思決定について、明確な「人間のオーナー」を割り当てる。結論はこうだ。「本当の進展は、所有が明示された瞬間からしか始まらない。そうでなければ、エージェントは周縁にとどまったままだ」シモンズ氏がゼロから構築する中で本能的に行ったことは、すでにワークフローが存在し、人々がそこに利害を持つ組織では、意図的に設計されなければならない。それが既存企業が抱える構造的ハンディキャップである。

多くの組織がAIで遅れているのではない。遅れているのは、それを信頼するという意思決定だ——そしてその意思決定は、そもそもそれを想定して設計されていないワークフローに「所有」を後から組み込む場合、はるかに難しくなる。最初からエージェント型AIを組み込んでつくる小さな企業には、その問題がない。

forbes.com 原文

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