【重要】会員機能一時停止とサイトメンテナンスのお知らせ

マーケティング

2026.07.03 16:50

世界が注目する今こそ好機──アーティストがW杯を活かす5つの方法

stock.adobe.com

stock.adobe.com

FIFAワールドカップは、地球上で最大のスポーツイベントというだけではない。世界中が同じものに同時に注目する、ポップカルチャーの「最後に残った」瞬間のひとつでもある。アーティストにとって、こうした集合的な注目はますます希少になっており、戦略的に取り組めば、通常のリリースサイクルでは届かない層へ突き抜ける本物の機会となる。

そのための5つの方法を紹介する。

バイラルな瞬間が起きたら、その場で楽曲をクリップに載せる

どのアーティストにとっても最も取り組みやすい入口は、同時に最も時間との勝負でもある。ワールドカップでは毎回、忘れがたい瞬間がいくつも生まれる。終了間際の決勝点、衝撃の番狂わせ、数秒間世界が止まったかのようなゴール。ファンは即座にTikTokやInstagram Reelsに編集動画、ハイライト、リアクション動画を大量に投稿する。そこに流れる曲は、再共有のたびに一緒に運ばれていく。

broke/The Nationsのマーケティングディレクター、ナサニエル・コスコは、その心理を次のように解説する。「聴き手にとって、ワールドカップの中で起きた忘れられない瞬間と自分の曲を結びつけたいのだ。メッシがハットトリックを決めた瞬間かもしれないし、ドイツが7-1で勝った瞬間かもしれない。あるいは、誰かがけがをした瞬間でさえあり得る。観客はそこにいる。彼らが曲を聴きに行きたくなるような形で音楽を提示できれば、手応えが生まれるかもしれない」

今大会でのドイツのキュラソー戦勝利は、2026年ワールドカップにおける現時点で最も明確な会話量の急増のひとつをすでに生み出している。試合当日、ファンが各種ソーシャルプラットフォームで反応した結果、ワールドカップ関連の投稿は2万5000ツイート以上増加したという。それらの投稿はすべて、楽曲が「置かれる」可能性のある場だ。音源を用意し、十分な速さでその波に曲を載せられるアーティストは、アルゴリズムを追いかけているのではない。波に乗っているのである。

パブリックビューイングに顔を出す

ソーシャルでのリーチと現場での存在感は、二者択一ではない。両者を補完関係として扱えるアーティストが優位に立つ。Right Hand Co.のマーケティングディレクター、レルヴィン・ロペスは、観客との直接的な関わりをこう主張する。「一番簡単なのは、バイラルなソーシャルトレンドや瞬間に新曲を載せることだ。アーティストの本アカウントでも、別アカウントでもいい。だが、真に長期的なファンと記憶を築く最善の方法は、観客と直接関わることだと思う。公式・非公式を問わずパブリックビューイングでの出演を申し出れば、潜在的なファンだけでなく、会場やイベントプロモーターとも本物の関係をつくれる。パーティーは毎日ある。その祝祭の一部になり、地道な努力から自然発生的な機会が形になっていくのを見てほしい」

パブリックビューイングという切り口は、十分に活用されていない。特にインディペンデントや中堅アーティストにとって、すでに試合を中心に人が集まっている場所に出向くことは、コンテンツだけではほとんど生み出せない種類の記憶をつくる。ゴールが決まったその瞬間に曲が流れれば、その曲はその記憶と恒久的に結びつく。

「バイラル」だけでなく「グローバル」で考える

ワールドカップは国内の出来事ではない。あらゆる大陸のファンが同じ会話に同時に参加する希少な文化イベントである。つまり、地域的な発想で臨むアーティストは、機会の大半を取りこぼしていることになる。

444 Sounds創業者のジョー・アブードは、率直にこう語る。「ワールドカップは、アーティストにとって極めて希少なものへのアクセスを与える。真にグローバルな観客だ。あらゆる大陸のファンが同じ会話に、同じタイミングで注目する数少ない文化的瞬間のひとつである。その共有された世界的エネルギーに真正面から入り込めるアーティストは、通常のリリースサイクルでは不可能な形で観客へ到達できる可能性がある」

その到達範囲の上限は小さくない。シャキーラの「Waka Waka(This Time for Africa)」が、決定的な実証例となった。同曲は2010年大会を通じて、ハイライト映像、ファン編集、放送カバレッジのいたるところで流れ、逃れようのない存在となった。その後Spotifyでの再生回数は10億回を超え、YouTubeの動画はいまなお史上屈指の視聴数を誇るミュージックビデオのひとつであり続けている。この持続性は、曲が共有されたグローバルな瞬間の「音の背景」として徹底的に定着したことの直接的な結果だ。多くのアーティストはFIFA公式アンセムの契約を得られないが、それは要件ではない。クリップ戦略とライブでの存在は、公式枠がなくてもグローバルに機能する。

国境を越えてコラボレーションする

ワールドカップそのものが、各国が同じ舞台で競い合うことで定義されるのだとすれば、それを理解して音楽を組み立てるアーティストは、より多くの観客に響く。444 Soundsの戦略・オペレーションディレクターであるグレン・トビーは、こう端的に述べる。「ワールドカップは、音楽とスポーツが同じ超能力を共有していることを思い出させる。言語、国、文化を越えて人々を結びつける力だ。アーティストにとっての機会は、単にイベントに自分を紐づけることではない。そのグローバルな精神を反映した何かをつくることだ。だからこそ、こうした瞬間におけるコラボレーションは強力になる。狙いは単なる世界的リーチではない。ワールドカップを体験する観客そのものと同じくらい国際的に感じられる作品をつくることだ」

ブランドはすでにこの点を理解している。コカ・コーラは2026年ワールドカップのキャンペーンを、ヴァン・ヘイレンの「Jump」を再構築し、J・バルヴィン、アンバー・マーク、トラヴィス・バーカー、スティーヴ・ヴァイが演奏するバージョンで始動させた。ラテンアメリカ、北米、ロックという各層を同時に横断する1曲を設計したのである。意図的な複数アーティストのコラボレーションによる、この「層の横断」の設計は、誰を制作の場に招くかをグローバルに考えられるインディペンデントアーティストにも利用可能なモデルだ。アブードは、プロデューサーのRedOneがTWICEのJIHYO、LUDMILLA、フレンチ・モンタナ、そして新進アーティストのAdriana Cと行った最近の仕事を、まさにその種のリリースとして挙げる。異なる国とジャンルのアーティストが、文化的境界を越えて動くよう設計された作品をつくっているのだ。

サッカーコミュニティのコンテンツ・エコシステムに入り込む

サッカーは、世界のスポーツの中でも特に活発で熱量の高いファンのコンテンツ・エコシステムを持つ。そしてワールドカップは、それをさらに加速させる。コスコは規模感をこう強調する。「サッカーは世界最大のコミュニティかもしれず、FIFAワールドカップ期間ほどプロモーションに適したタイミングはない。TikTokでもInstagramでも、サッカーはあらゆるスポーツの中で最も大きなグローバルインパクトを持ち、それが数字に表れている。選手は数千万単位でフォロワーを増やし、ファンはあらゆる編集動画、ハイライト、振り返りに目を凝らしている」

そのエコシステムは受動的ではない。ファンは自分たちのコンテンツに付ける音楽を能動的に探している。今大会に先立ち、ファンが作ったフットボールのアンセムはYouTube、TikTok、Instagramで数百万回規模の再生を稼いでおり、中には公式のFIFA委嘱曲をエンゲージメントで上回るものもある。ファンページへの働きかけ、サッカー系クリエイターとの提携、あるいはゴールセレブレーションのように響く音楽を作るといった形で、このエコシステム内に自らを位置づけるアーティストは、自走する配信チャネルを活用していることになる。

チャンスの窓は狭い。ワールドカップは7月19日まで続く。会話はまさにいま起きている。迅速に動き、文化的な現場感を保ち、人々がすでに共有している瞬間に音を付けられるアーティストにとって、大会後に得られる露出は、トーナメントそのものよりはるかに長く続き得る。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事