近年、気候変動の影響によってゲリラ豪雨や線状降水帯による局地的な大雨が各地で頻発している。気象庁の統計によると、1時間降水量が50mmを超える短時間強雨の年間発生回数は直近10年平均で約340回に達し、統計開始期と比べて約1.5倍に増加。これに伴い、都市部での雨水処理の限界や冠水リスクが身近な問題となるなか、社会インフラの要である下水処理場の運用実態に注目が集まっている。そうした実態について、セイスイ工業が、全国の下水処理場の運営に携わる自治体職員106名を対象に実施した運用実態の調査結果が公開された。
それによると、自治体職員の約9割が豪雨の頻発化による下水処理場への負荷増大を実感。実際に、過去3年程度で設計時の想定流入量を超える事態が「年に5回以上」発生しているとの回答は45.2%に上り、「年に3回以上」も含めると67.8%と、想定超過の流入が常態化している実態が明らかになった。


しかし、こうした危機的状況に対してハード・ソフト両面での備えは追いついていない。雨天時の処理に関する明確な運用ルールが整備されている下水処理場はわずか22.6%にとどまる。実に54.7%が「ある程度のルールはあるが、属人的に運用されている」と回答し、17.0%は「ルールはなく、その都度判断している」という現場任せの状況だ。さらに、雨天時の放流の可否や処理方法の切り替えといった最終判断についても、「現場責任者」や「現場の当直・担当者個人」の判断に依存する割合が合わせて47.1%を占めている。





