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AI

2026.07.03 15:20

Z世代はなぜAIに反発するのか 卒業式スピーチにブーイングが起きた理由

stock.adobe.com

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Z世代の間で、AIほど賛否を呼ぶ言葉は多くない。5月には、元Google CEOのエリック・シュミットがアリゾナ大学の卒業式で聴衆に「AIはあらゆる職業」に、そして「あらゆる人間関係」に影響を及ぼすと語ったところ、ブーイングを浴びた。

Tavistock Development Companyで戦略提携担当バイスプレジデントを務めるグロリア・コールフィールドも、セントラルフロリダ大学でのスピーチで同様の反応に直面した。AIを「次なる産業革命」と呼んだことで、ブーイングを受けたのだ。同様に、Big Machine RecordsのCEOスコット・ボーチェッタも、ミドルテネシー州立大学の卒業式スピーチでAI革命について語り、卒業生からブーイングを浴びた。

これらの出来事は、多くのZ世代の卒業生がAIに好意的ではないことを示している。同時に、AIの導入に楽観的なビジネスリーダーと、日々の生活への影響に不安を強める若い世代との間に、認識の断絶があることも浮き彫りにしている。

組織が若年層の働き手を惹きつけたいのであれば、リーダーとZ世代の間の断絶は解消される必要がある。AIや自動化の影響に対する働き手の懸念を退ければ、反発はいっそう強まるだけだ。

Z世代に広がるAIへの反発

Z世代は多様な集団だが、このコホートにおいてAIへの明確な反対が立ち上がりつつある。ギャラップが14〜29歳の1500人超を対象に実施した調査によると、AIへの期待感は2025年以降14%低下している。働くZ世代の48%が「職場におけるAIのリスクはメリットを上回る」と考える一方、「メリットがリスクを上回る」とするのは15%にとどまり、37%はリスクとメリットが同程度だと見ている。

AIに対するこうした否定的感情は、企業内外で導入への反対を生んでいる。WRITERの2026年企業導入調査によれば、Z世代の従業員の44%が、自社のAI戦略を少なくとも1つの方法で妨害したと認めており、全従業員平均の29%と比較して高い数字だ。

妨害行為には、機密情報をAIツールに入力する、承認されていないAIツールを使う、AIツールやその出力の使用を拒む、ガイドラインやベストプラクティスを無視する、意図的に低品質なアウトプットを生成する、AI研修の受講を拒否する、AIが低性能に見えるようにパフォーマンス指標を改ざんする、といったものが含まれる。

「Z世代は反AIなのではない。反『置き換え』なのだ。経営会議がコスト削減の話ばかりでは、現場の社員が喜ぶはずがない」と、WRITERの共同創業者兼CEOのメイ・ハビブはメールで筆者に語った。

「CEOはメッセージだけでなく、計算式も変えねばならない。AIは雇用をなくすものではない。むしろ、チームの役割を『作業の実行』から『システムの統括』へと移すことで、仕事のあり方を根本的に変える。あまりに多くの企業が、社員が信じられるビジョンを示せていない」とハビブは言う。

さらにハビブは、「Z世代に関わってほしいのなら」、AIを「より安く仕事をする」ための手段として売り込むのをやめるべきだと付け加えた。代わりに雑務を引き受けるデジタルのチームメイトを与え、「自分自身の野心の上限を引き上げるエージェントを構築できるように力を与える」ことだという。

溝を埋める

シュミットのようなテックリーダーがAIの美点を称える一方で、少なくないZ世代は納得していない。厳しい雇用市場に送り出される中、ゴールドマン・サックスの調査は、過去1年でAIが月あたり1万6000件の純雇用を消失させたと示し、その影響はZ世代やエントリーレベルの労働者が最も大きく受けているという。

しかし、AIへの反感を生む要因は雇用喪失への懸念だけではない。同意なく知的財産が大量にスクレイピングされていること、AIの環境負荷、オンラインに氾濫する「AIスロップ(低品質なAI生成コンテンツ)」、ディープフェイクの拡散など、懸念は多岐にわたる。

こうした問題がある以上、AI推進のメッセージは多くの働き手を遠ざけかねない。自動化を普遍的な利益として受け取る人ばかりではない。例えば、作品がLLMにスクレイピングされたクリエイターやデジタルアーティストは、ワークフローにこれらのツールを組み込むことに異議を唱える可能性がある。

Z世代や反AIの働き手の間で導入を進めたいリーダーは、これらのツールが当事者にどのような利益をもたらすのかを強調する必要がある。命令で無理に導入を迫るのではなく、面倒な手作業を自動化できるよう訓練することで、エンゲージメントが高まるかどうかを検討する価値がある。

AI推進派のZ世代

多くのZ世代の働き手にAIへの反発が目立つ一方で、これらのツールに熱心な人も多い。前述のWRITERの調査では、Z世代の43%がAIの「スーパーユーザー」に分類され、これはどの世代よりも高い割合だった。ミレニアル世代は40%、X世代は29%、ベビーブーマー世代は25%である。

同様に、MOOが1000人の働き手を対象に実施した調査では、Z世代の従業員の76%が「AIによってより高次の仕事へ押し上げられている」と回答した。ミレニアル世代は56%、X世代は48%だった。

「AIツールへのアクセスがますます普遍化するにつれ、先行するのは、それらを創造的かつ商業的に使える人々である。これは実利的な変化だ」と、Fiverrでコミュニティおよび社会的インパクト担当アソシエイトディレクターを務めるミシェル・バルトルシティスは語る。「実際、調査ではZ世代はすでにそれを実践している。59%がAIに仕事の一部を任せることを信頼しているという。最も多い用途は、ワークフローのブレインストーミング、コンテンツ生成、クリエイティブプロジェクトの改善だ」

「Z世代はAIを脅威ではなくツールとして見ている。見出しではAIがエントリーレベルの役割を一掃するかのように警告されるが、現実はより穏やかだ。世界的に見て、AIに置き換えられることを恐れているZ世代はわずか10%にすぎない。彼らにとっては中核スキルを置き換える話ではなく、アウトプットを研ぎ澄まして競争力を保つための話である。Z世代は労働市場で最も強く圧力を感じているのだから」と、バルトルシティスは言う。

AIに楽観的なZ世代

ジョージア工科大学で大学院助手を務め、公共政策の理学修士課程に在籍するアシュリー・エウォルドは、STEM重視の学校環境がAIの捉え方に影響したとメールで筆者に語った。

「私にとってAIは、人間の努力や批判的思考の代替ではなく、ツールとして最も機能する。応募書類をよりよく理解すること、アイデアの整理、ネットワーキングの改善、概念の理解を早めることに使ってきた。多くのZ世代も同じように使っていると思う。人生や仕事、あるいは大人になりたての時期を切り抜けるうえで助けが必要なとき、アシスタントや家庭教師がいつでもいるような感覚に近い」とエウォルドは言う。

一方で彼女は、特に雇用に関してAIに不安を覚える人がいる理由も理解できるという。AIは「人間的な側面」、すなわち批判的思考、共感、創造性、倫理的判断、傾聴といったものを置き換えられないと彼女は主張する。「危険なのはAI自体ではなく、自分のスキルを鍛えることなく、それに過度に依存するようになることだと思う」

このように、AIに懐疑的なZ世代がいる一方で、エウォルドのように仕事や私生活でこれらのツールを試している人もいる。企業のリーダーは、両方のグループから支持を得る必要がある。

強制的なAI導入命令

理屈の上では、企業はAIスキルのない人材の採用を避け、職場での使用を義務化すればよい。しかしそのような動きは、導入を促すのと同じくらい、従業員を疎外し、従業員体験を損なう可能性が高い。結局のところ、自分の働き方に合わないツールを強制されたい人はいない。

WalkMeが14カ国の経営幹部と従業員3750人を対象に実施した調査によると、労働者の54%が会社のAIツールを回避し、手作業で仕事を完了していた。

命令に頼るのではなく、リーダーは、トークンや研修とともにClaude Codeのようなツールへのアクセスを従業員に提供し、当人にとって有益な形で使い方を選べるようにすることもできる。誰もが納得するとは限らないが、研修は、AIの利点を教育しつつ、スキル向上の機会へのアクセスを提供する出発点として有効である。

forbes.com 原文

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