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スポーツ

2026.07.03 15:05

格闘技界、ついに「データ時代」へ突入か

stock.adobe.com

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格闘技が主流の注目を集めている。ブラジリアン柔術から総合格闘技(MMA)、レスリングやグラップリングまで、より多くのアスリートがジムの門を叩いている。その目的は競技だけではない。自信をつけ、護身術を学び、より意欲をかき立てる形のフィットネスを追求するためでもある。

しかし消費者の関心がこれほど高まっているにもかかわらず、格闘技を支えるトレーニングインフラの多くは、驚くほどアナログなままだ。アスリートは練習し、スパーリングし、反復練習を行い、試合に臨む。だが学習プロセスの大半は、直感や記憶、コーチの観察、そして多くの場合はノートに依存している。

SmashLogのCEO兼創業者であるアンドリュー・メダルは、そのギャップこそ大きな機会だと考えている。同社は柔術を起点に格闘技全般へと拡大していくインフラ層の構築を進めている。

「私たちは格闘技のOS(オペレーティングシステム)をつくっている」とメダルは語る。「分析が野球、バスケットボール、アメリカンフットボールを変革したのと同じように、AIがアスリートのトレーニングのあり方、コーチの育成方法、ジムの会員維持、そして最終的には格闘技団体の意思決定を変革すると信じている」

本能からインテリジェンスへ

チームスポーツでは、データが運用モデルの一部になっている。コーチは映像、アナリティクス、選手トラッキング、パフォーマンスのダッシュボードを活用し、意思決定を改善する。対照的に、格闘技はいまも主観的なフィードバックへの依存が大きい。

メダルは柔術を明確な例として挙げる。アスリートは年に数千回スパーリングすることもあり、強み、弱み、相性、傾向、進歩といった貴重な情報が生まれる。だがその情報は通常、セッションが終わると消えてしまう。

「いまの格闘技には、記録の基盤(system of record)が存在しない」とメダルは言う。「アスリートは週に複数回トレーニングし、毎年数十万のデータポイントを生み出している。その大半は、ただ消えていくだけだ」

SmashLogは、アスリート個人のレベルでトレーニングデータを収集し、それを本人、コーチ、そして将来的にはジム全体にとって実行可能な示唆へと変換することで、この状況を変えようとしている。

同社のモデルはアスリートから始まる。練習後、ユーザーは手動入力、音声入力、または動画アップロードで何が起きたかを記録できる。十分なセッションが蓄積されると、プラットフォームは個別化されたトレーニングプロフィールの構築を始める。

メダルによれば、少なくとも5回のトレーニングセッションの記録があれば、改善点の特定が始まる。防御、攻撃、苦手な練習相手、帯(ベルト)レベルごとの相性、繰り返し現れる弱点、日次または週次で取り入れられるドリルなどだ。

「目標は、その情報を実行可能なインテリジェンスへと変換し、アスリートがより速く上達し、コーチがより良い判断を下せるようにすることだ」とメダルは語る。

ここでパーソナライゼーションは単なる流行語ではなくなる。格闘技アスリートにとってのパーソナライゼーションとは、60分練習したという事実だけでなく、複数のセッションを通じてどんなパターンが現れているのか、次に何をすべきかを把握することを意味する。

重要なのは「日常のアスリート」だ

格闘技市場が魅力的な理由の1つは、顧客基盤がプロ選手よりも幅広いことにある。SmashLogはエリートアスリートだけのために作られているわけではない。メダルは、プロ、真剣な競技者、そしてプロとして戦うつもりはない日常の参加者にまで、このプラットフォームが役立つと見ている。

この違いは重要である。スポーツテクノロジーの未来は、高パフォーマンス領域のユースケースから始まったツールが、より広いフィットネス消費者にも価値を持つようになり、カテゴリー全体でより強いロイヤルティを生み出すことで動くことが多い。

活動的でいるために柔術を学ぶ60歳、子どもに自信をつけさせるために入会させる親、護身のために学ぶ女性。いずれも進歩、モチベーション、そして明確さを求めるだろう。

メダルによれば、柔術は女性の参加が大きく伸びている。とりわけ護身、自信、フィットネスとの関連性が理由だという。プロの領域は依然として男性が多い一方で、日常のアスリート市場は男女比が60対40に近いと彼は説明する。

現時点のプロダクトは栄養やリカバリーではなくトレーニングのインテリジェンスに焦点を当てているが、将来的にはウェアラブルや食事記録プラットフォームからのデータ統合もあり得るとメダルは言う。時間をかけて格闘技アスリートのより完全な姿を描くことが、そのビジョンである。

なぜ柔術が入口になるのか

SmashLogがブラジリアン柔術から始めるのは、コミュニティ、練習頻度、測定可能な成長という強力な組み合わせがあるからだ。アスリートは定期的に組み合う。異なる相手と対峙する。帯(ベルト)で昇級する。追跡でき、反復でき、改善できる技術を学ぶ。

メダルにとって、この機会は個人的なものでもある。彼は10代からボクシング、ムエタイ、柔術などの格闘技を練習してきた。若い頃は大手ジムの周辺で働き、その後、人工知能とコンピュータビジョン(画像認識)に焦点を当てた企業を含むテクノロジー企業を立ち上げた。直近の企業であるコンピュータビジョン事業は2022年に売却している。

SmashLogの着想は、これらの経験の重なりから生まれた。技術的なバックグラウンドを持つ創業者が、よく知るスポーツが断片的なツールと限られたデータで運営され続けていることに気づいたのだ。

「巨大な需要がある市場に向けて何かをつくる絶好の機会があると分かった」とメダルは語る。「格闘技は非常にローテクだ。すべてが断片的である。長期的なビジョンは、1つの競技にとどまらない。ボクサーであれ、レスラーであれ、柔道家であれ、MMAファイターであれ、柔術の実践者であれ、課題はほぼ同じだ。膨大なトレーニングデータが生まれているのに、そのほとんどが意味のある形で収集されていない」

家族の存在も影響した。メダルと妻は練習しており、娘たちも競技に入ってきている。彼にとって柔術は競技であると同時に、生きるためのスキルでもある。

データプラットフォームとしてのジム

より大きな機会は、個々のアスリートに限られないかもしれない。SmashLogは、メダルが「ジム・インテリジェンス」と呼ぶものの構築も目指している。

各アスリートがデータの足跡を残すなら、コーチやジムオーナーはいずれ、トレーニング集団全体にまたがるパターンを見られるようになる。どの技術が向上しているのか。どこで受講者がつまずいているのか。どの帯(ベルト)レベルが特定の盲点を生み出しているのか。どんな練習相手が最も難しさを生んでいるのか。

こうしたジムレベルのインテリジェンスは、オーナーやコーチに、指導をスケールさせながら個別最適化する新たな方法を与え得る。

「インテリジェンス層は個々のアスリートから始まるが、現状存在しない組織全体のデータ層も提供する」とメダルは語る。「それが私たちが生み出している大きな優位性であり、アスリートの層から始めて、格闘技全体へと広げていく」

このデータ層は、個別トレーニングプラン、プレミアムなコーチングのサブスクリプション、従来の会員権やプライベートレッスンを超えて展開するデジタルのアスリート育成プログラムなどを通じ、ジムやコーチに新たな収益機会ももたらし得る。

ジムオーナーにとっては、退会抑止の強化、エンゲージメントの深化、コミュニティの強化につながる可能性がある。

ここで概念は、フィットネスアプリというより、カテゴリーのOSに近いものに見えてくる。アスリートはフィードバックを得る。コーチは可視性を得る。ジムはインテリジェンスを得る。連盟、リーグ、メディア企業も、すでに触れているトレーニングおよび試合データから、将来的により大きな価値を引き出せるようになるかもしれない。

メディア、リーグ、そして次のファン獲得導線

格闘技は、テレビ向けや配信向けイベントの増加の恩恵も受けている。メダルは、新しいリーグの仕組みやオープンな競技フォーマットが、カジュアルな参加から正式な競技へ至る道筋を増やしている証拠だと指摘した。

彼は、UFCがブラジリアン柔術へ進出したことを、主要な格闘技ブランドがプロと日常のアスリート双方の可視性を高められる例として挙げる。オープン形式であれば、年齢、体重、帯(ベルト)ランクをまたいで参加者が競技でき、関与を広げるための「漏斗(ファネル)」がより大きくなる。

これはブランドにとって重要である。スポーツの成長は、ピラミッドの頂点にいるエリートアスリートだけの話ではない。その下にある参加者の裾野こそが要である。日常のアスリートが自分自身をそのスポーツの中に見いだし、進歩を追跡し、上達へのより明確な道筋にアクセスできるとき、そのカテゴリーは商業的により持続力を持つ。

大量の試合映像を保有するメディア企業にも機会がある。メダルは、グラップリングやレスリングの大会を放送する組織を、将来の有力なパートナーとして挙げた。映像資産は、より良い分析が加われば価値が高まり得るからだ。

言い換えれば、アスリートが練習セッションを理解するのに役立つ同じ技術が、やがてリーグ、ジム、メディアプラットフォームがスポーツそのものを理解するのにも役立つ可能性がある。

スポーツブランドへのより大きな教訓

SmashLogの物語は格闘技についてのものだが、より大きな教訓はスポーツとフィットネスの経済圏全体に当てはまる。参加型カテゴリーは、消費者が進歩を実感できるときに成長する。その進歩は、測定され、個別化され、適切な支援体制と共有されることで、より「離れにくい」ものになる。

長年にわたり、格闘技には情熱、コミュニティ、規律があった。欠けていたのは、スケール可能なインテリジェンス層である。

それが変わりつつあるのかもしれない。

SmashLogが成功したとしても、格闘技の次の時代は、コーチやジム、日々の鍛錬を置き換えるものではない。それらをより「情報に基づいた」ものにする。アスリートはやはり通い続けなければならない。コーチはやはり教え続けなければならない。ジムはやはりコミュニティを築き続けなければならない。

だが、ノートはついにアップグレードされるのかもしれない。

forbes.com 原文

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