Forbes JAPAN編集長編著『Forbes JAPANが選ぶ 未来をひらく言葉』から、Forbesが過去取材したビジネスリーダーたちの名言を紹介する。
正解のない時代に「未来をひらく」仕事をなし得た彼ら・彼女たちは、自らの行動からどんな言葉を紡ぎ、何を導き出したのか。「名言こそ未来に伝えるべき共有物だ」をコンセプトに、リーダーたちの言葉をひもとき、われわれの「今日の行動」に転換すべく読み解くコラム。第3回の今回は、片づけコンサルタント 近藤麻理恵の言葉を紹介する。
主語を変えよ
Netflixの番組『KonMari~人生がときめく片づけの魔法〜』は、190の国と地域で配され、同番組は「テレビ界のアカデミー賞」といわれるエミー賞を受賞。著書『人生がときめく片づけの魔法』も、世界40カ国以上で、累計1400万部を記録している。「この本を絶対にミリオンセラーにするという目標を掲げていました」とこんまりは言う。だが、目標どおりに進んだわけではない。
アメリカに進出したものの、語学、商習慣、会社設立など目まぐるしく、夫妻(注:近藤の夫はプロデューサーの川原卓巳)は壁にぶつかるばかりだった。その頃、グーグルやアップルを支えた世界最大級の投資会社セコイア・キャピタルが指導に入ることになった。しかし、夫妻は事業運営に忙殺され、次第にセコイア側とのやり取りに手が回らなくなると、プレゼン資料を作成する時間すらなくなった。困り果てた川原はプライドを捨て、「準備の時間がなかった」と正直に伝えた。すると、意外な言葉が返ってきた。「やっと準備ができましたね」と言うのだ。つまり、投資会社に気を回す暇があったら、事業に集中しろという意味で、そこに気づいてこそスタートだと言うのだ。この時から夫妻は「主語」を変えた。その仕事は「人類にとって意味のあることなのか?」と、主語を自分ではなく、「世界」に変えて自問するようになったのだ。
世界を相手にできた要因はここかもしれない。
近藤麻理恵(こんどう・まりえ)◎片づけコンサルタント。1984年、東京都生まれ。19歳で片づけコンサルティングを始め、独自の片づけ法「こんまりメソッド™」を考案。著書『人生がときめく片づけの魔法』は世界累計1400万部のベストセラー。
川原卓巳(かわはら・たくみ)◎近藤の夫であり、プロデューサー。1984年、広島県生まれ。人材教育会社を経て、近藤のマネジメントと世界展開事業を担当し、2014年の結婚以前からプロデュースも手がける。



