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起業家

2026.07.10 12:00

月額1万4千円から楽しむブロードウェイのサブスクサービスがリリース

stock.adobe.com

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ブロードウェイに誕生した新たなチケットサービスは、高額なチケットを都度購入するのではなく、サブスクリプションで気軽に観劇を楽しむスタイルを提案している。

地方巡業を手がける演劇興行主のビジネスモデルを参考に、複数のブロードウェイ作品を観劇できる月額サブスクリプションサービス「prioriTIX」がリリースされた。利用者は月額90ドル(約1万4500円)からミュージカルや演劇のチケットパッケージを購入できる。こうしたサブスクリプション販売は、地方巡業を手がける演劇興行主にとって、長年にわたり安定した収益基盤となってきた。

「この戦略はマーケティングコストを劇的に引き下げる。1枚分のコストで3~5枚のチケットを販売できるからだ」と、デヴォス芸術・非営利マネジメント研究所のマイケル・カイザー会長は語る。サブスクリプションによるチケット販売は代金を前払いで回収できるため、リハーサルや公演準備期間中の資金繰りの改善にもつながるという。カイザーはまた、一部の劇場にとってサブスクリプションモデルの最大の利点は、芸術的な柔軟性をもたらす点にあると指摘する。

「全ての公演を購入してもらえるなら、知名度の低い実験的な作品もラインアップに組み込める。しかし、サブスクリプション会員がいなければ、作品を単独で売り込まなければならず、芸術的なリスクを冒すことは極めて困難になる」とカイザーは言う。

しかし、新型コロナウイルスのパンデミックが、こうした状況を一変させた。

劇場が再開しても、多くの観客は戻らなかった。サブスクリプション契約数は減少し、2024年には劇団の42%が「会員の30%以上が離脱した」と回答している。ブロードウェイの非営利劇団と同様にサブスクリプション制を採用するニューヨーク・シアター・ワークショップでも、パンデミック後に会員の約半数が契約を更新しなかった。

それでも、新たなチケッティングサービス「prioriTIX」の創業者ネリー・ビーバーズは、ブロードウェイでは依然としてサブスクリプションへの需要は根強いとみている。 

prioriTIXは、最適なチケットパッケージを厳選し、購入手配まで代行することで、「情報収集に時間を費やす必要がなくなる」とビーバーズは語る。これにより、観客は観劇の計画にかかる時間や労力を減らせるだけでなく、費用も抑えられるという。

「例えば、今夜上演される『オー・メアリー!』の2階前列席を今購入しようと思えば約200ドル(約3万2200円)かかる。しかし、6週間後の公演なら、同じ席が79ドル(約1万2700円)で手に入る。当社ではこうした価格動向を常にモニタリングし、ユーザーにとって最適なプランを提供している」と彼女は説明する。

数ヵ月前からチケットを予約する観客が減少する中、この新サービスには前売りチケットの販売を後押しする効果が期待されている。業界団体「ブロードウェイ・リーグ」によると、ブロードウェイ観客の半数以上は、公演まで2週間を切ってからチケットを購入しているという。

フロリダで育ち、幼い頃から家族とともに地方巡業公演のサブスクリプションに親しんできたビーバーズは2020年、ブロードウェイ全体を対象とした同様の制度が存在しないことを知り、驚いたという。「フロリダにはある仕組みが、なぜブロードウェイにはないのか」。その疑問を抱いてから6年。彼女はついにその構想を実現した。

forbes.com 原文

編集=朝香実

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