Forbes JAPAN編集長編著『Forbes JAPANが選ぶ 未来をひらく言葉』から、Forbesが過去取材したビジネスリーダーたちの名言を紹介する。
正解のない時代に「未来をひらく」仕事をなし得た彼ら・彼女たちは、自らの行動からどんな言葉を紡ぎ、何を導き出したのか。「名言こそ未来に伝えるべき共有物だ」をコンセプトに、リーダーたちの言葉をひもとき、われわれの「今日の行動」に転換すべく読み解くコラム。第6回の今回は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団共同創業者共同議長、マイクロソフト共同創業者 ビル・ゲイツの言葉を紹介する。
社会への恩返しを「投資」として行う
「すべてのアメリカ人のデスクにコンピューターを」という50年前に掲げた夢を、ゲイツはほぼ現実のものとした。現在の彼は、1400人の職員を抱える世界最大の慈善基金団体の議長として、ワクチンの開発や気候変動対策といった「市場が放置しがちな分野」へ、ベンチャーキャピタリストのような鋭さで投資を行っている。
米Forbes誌では、フェイスブックの共同創業者ダスティン・モスコヴィッツと「フイランソロピー対談」を行った。モスコヴィッツはゲイツの「途方もないスケールの大きな寄付が刺激になった」と言い、彼も慈善活動を行う。ゲイツのこうした行動は、日本の起業家にも影響を与えている。上場して莫大な資産を得た若い起業家が寄付をするケースが増えているのだ。それでは、ウィンドウズで革命を起こした現代の偉人が、次世代に贈る10の名言を紹介しておこう。
1 私は物事をとことん突き詰めるのが好きなんだ。そうすれば、たいてい良い結果が出るから。
「成功の鍵は的を見失わないこと」と言い、自分が最も力を発揮できる範囲を見極め、そこに時間とエネルギーを集中することが大切だという。
2 毎日毎日、勝ちたいという気持ちで出社しなければならない。切羽詰まった時にこそ、最高の能力を発揮できる。
3 一心不乱に働くこと。ベストを尽くすことが嫌だというなら、ここは君のいるべき職場ではない。
不平不満を言っているようであれば、無理をせずに環境を変えたほうがいいと諭す。
4 成功を祝うのはいいが、もっと大切なのは失敗から学ぶことだ。
失敗は物事を改善するきっかけになり、良いものをつくりだすチャンスとなる。ユニクロの柳井正社長が説く「一勝敗」と同じ考え方である。
5 反対があるのは健全なこと。本当に力のあるアイデアか試されるわけだから。
6 私は起業家という言葉をいつも拒否してきた。「会社を始めよう、何の会社にしようか」では決して成功しない。
ゲイツは「私は何よりもまずソフトウェアの開発者です」と言い続けている。起業を目的とする起業家では、事業を成功させるのは難しい。「自分がやりたいこと」のために起業することが大切だったいう言葉。
7 自分のことを、この世の誰とも比べてはいけない。それは自分自身を侮辱する行為だ。
人と比べると、劣等感や優越感などたいして役に立たない感情に振り回されてしまいがち。自分は自分。同じ人間はいないのだから、周りに左右されることなく、自信をもって突き進むべきだ。
8 問題は未来だ。だから私は、過去を振り返らない。
起きたことは変えられないのだから、失敗や過ちを振り返るのは時間の無駄。それよりも前を見て、歩む道をどう開拓していくかを考えることに時間を使うべきだと気づかされる言葉。
9 人間にはものを考える時間が必要だ。
ゲイツは年に2回、同僚や家族とも連絡をとらずに、ひとりで過ごす時間を設けている。その期間には、多忙な毎日の中では見失いがちな自分の目標やビジョンを思い返すとともに、クリエイティブなアイデアも生まれてくると述べている。
10 変わることがなければ成長することもない。成長することがなければ真に生きていない。
行動を起こさずして成長することはできない。「一流」や「成功」はもうこの一言に尽きるのではないだろうか。
Bill Gates◎ビル&メリンダ・ゲイツ財団共同創業者共同議長、マイクロソフト共同創業者。1955年、米シアトル生まれ。75年、ポール・アレンとともにマイクロソフトを設立、ウィンドウズでパソコン革命を起こした。米Forbes誌のビリオネアランキングでは94年から2006年まで13年連続で世界一。当時の個人資産は日本円で6兆円超。2000年に妻のメリンダと「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」を設立、世界最大の慈善基金団体に。



