オンライン予測市場におけるインサイダー取引の可能性や戦争などの地政学的出来事への賭けに対する監視が強化される中、暗号資産ベースの分散型予測市場である米Polymarket(ポリマーケット)で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2026年末までに失脚するとの予測に40万ドル(約6500万円)以上を賭けた匿名ユーザーが現れた。
米NBCニュースが最初に報じたこの賭けは、ウクライナ国旗をプロフィール画像に設定している匿名アカウントによって行われた。
ユーザー名を「ZnotluvuiSamez」というこのアカウントは、これまでにロシアとウクライナに関する賭けを複数回行っているが、「プーチンは2026年12月31日までにロシア大統領を退任するか」という予測をめぐり「イエス」に40万9000ドル(約6600万円)を賭けた取引は過去最大となる。このうち5万ドル(約800万円)相当の予測トークン(シェア)は6月2日早朝に購入された。
このユーザーの賭けは市場の見通しとは大きく異なっている。ブックメーカー各社は、ロシアの次期大統領選が2030年まで行われない状況下でも、プーチンが失脚する可能性は12%しかないとみているからだ。
NBCニュースによると、この正体不明のユーザーが賭けに勝てば、最大250万ドル(約4億円)もの大金を手にする可能性がある。
このユーザーが行った2番目に大きな賭けは、ウクライナが年内にクリミアを奪還するという予測に6万1000ドル(約980万円)を賭けたもので、これも市場予測では実現する可能性はわずか12%にとどまる。
この謎の賭け手がポリマーケットに参加したのは今年4月とみられ、アカウントは投稿数ゼロのXアカウントとリンクされている。
急拡大する予測市場、特定の予測テーマを禁止する動きも
米商品先物取引委員会(CFTC)は今年6月、オンライン予測市場を規制する初の規則案を発表し、意見公募を開始した。公共の利益に反するとみなされる賭けや、インサイダー情報に基づく取引が発生しやすい賭けを禁止するのが目的で、戦争、テロ、暗殺に関連する取引は規制対象となる可能性が高い。
まだ提案段階のため、プーチンの失脚に関する賭けが「公共の利益に反する」禁止措置の対象となるかは不明だ。
政治的な賭けめぐるインサイダー疑い事例
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束する電撃作戦に関与した米特殊部隊の兵士が今年4月、機密情報を利用してポリマーケットで40万ドル以上を稼いだとして起訴された。米司法省によると、この兵士は私利私欲のために政府の機密情報を不法利用した罪で起訴されたという。
問題の兵士は、作戦実行直前の昨年12月下旬、マドゥロやベネズエラに関連する賭けを13回行い、合わせて約40万9881ドルを稼いでいた。
4月下旬には、別の予測市場を運営する米Kalshi(カルシ)が、自身の選挙戦の結果について賭けた候補者の政治家3人のアカウントを停止したと発表している。



