変わらないものもある。それは米花火業界の家族的な文化だという。「われわれは一種のコミュニティーだ。非常に家族志向の業界で、数世代にわたる家族経営の企業ばかりだという事情が大いに影響している。花火業界は仕事にとても情熱的だ。地域社会をひとつにまとめ、祝賀の機会を提供している」。
こうした世代を超えた結びつきは、中国からの調達においても維持されている。「この関係性は、次世代を担う米国の大規模花火企業と中国の工場との間にも、同様の世代を超えた絆として受け継がれている」とヘックマンは語った。
ドローンはライバルではなく共存相手
そんな花火業界が君臨する空に、新たな形で参入してきたのがドローンである。「ドローンは実際、花火ショーを引き立てる。建国250周年の花火ショーでもドローンが組み込まれているという記事をよく見かけるので、この傾向は続くだろう」。
「とはいえ、ドローン単体ではせいぜい60秒ほどしか観客の注意を引きつけられない。一方、花火は五感すべてを刺激する体験だ」とヘックマンは胸を張った。「色彩を目で見て、その振動を胸に感じる。場所によっては煙のにおいだって届く。まさに、あらゆる感覚が刺激される体験なのだ」。
ユナイテッド・パイロテクニクスのチャンも、ドローンショーは発展するものの、花火に取って代わることはないとの見解を示した。「ドローンはすばらしい技術であり、花火の騒音を避けたい一部の都市や自治体に大きな機会を提供している。ただ、個人的には花火のほうが、より優れた感覚体験になると思う」。
「巧みに演出された音楽が花火に組み合わさったときの感覚は、最高だ。これまでいくつかのショーに携わり、幸運にも一般観客よりもずっと近くで花火ショーを体感してきた。フィナーレを迎え、すべての花火が同時に炸裂する瞬間、全身でそれを感じる。その感覚は、すばらしいとしか言えない。ドローンと花火は共存できると思う」とチャンは確信を口にした。


