2010年代に緩やかに増えていた花火の売上は、コロナ禍で大きく伸びた。APAの統計によれば、2019~20年に花火への家計支出はほぼ倍増し、いまだコロナ禍前の水準には戻っていない。
「すべてが閉鎖された。映画館にも野球場にも、コンサートにもお祭りにも行けなかった。どういうわけか、米国人はメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日、5月最終月曜日)の週末に花火を買いに出かけるようになった。そして、その勢いは止まらなかった。年間を通じて花火の購入は続き、業界として初めて在庫がほぼ底をついた。これは極めて珍しいことだ」とヘックマンは当時を振り返った。
トランプ関税を乗り切った米花火業界の知恵
2025年、トランプ政権が中国からの輸入品に最大145%の関税を課した際には大混乱が生じた。「昨年は関税に終始した」とヘックマンも認める。だが「米花火業界はいつも複数の課題に直面しており、試練を切り抜け、備える術を学んできた」と続けた。
業界で昨年打撃を受けた1社が、中国から輸入した花火を販売するシアトルの企業ユナイテッド・パイロテクニクスだ。「昨季は中国からの出荷量減少のあおりを受けた」とハーブ・チャン副社長は語る。「幸い、工場には製品の製造を継続してもらえた。実は、在庫として中国で保管していたのだ。そして(関税が当初より下がったことで)在庫の多くを早期に出荷できたため、今年は供給問題が多少なりと緩和された」。
同社の戦略は業界全体を象徴するものだったとヘックマンは説明する。「関税率が過去最高の145%になった当時、米花火企業のほとんどは中国のサプライヤーに出荷を保留し、関税が下がるまで待つよう指示した。ありがたいことに在庫は十分にあり、その製品を今年の7月4日(独立記念日)に間に合うように米国に出荷できた。したがって、今年の花火の価格に関税の影響はあまりない。小売業者もコスト管理に最善を尽くしており、消費者に実質的な影響はないだろう」。
花火をめぐる家計支出やトレンドは各州の法律に左右されるが、今年の傾向はある程度予測できるとヘックマンは言う。「愛国心に訴えかけるパッケージが増えるだろう。色彩も花火の名称も、より愛国的なものになるはずだ。これはマーケティングの一環であり、今年の7月4日の大きな目玉になるだろう」。


