夜、寝室のエアコンは朝までつけっぱなしがいいのか、タイマーで切るのがいいのか。寝苦しさ、健康、電気代などいろいろな要素が関係してくる難しい問題だが、パナソニックは実験によってその答えを出した。
パナソニックは、広さ6畳の環境試験室で夏の日中と夜間の外気温と日射を再現し、140個のセンサーと、人間1人が発する熱を想定した熱源を配置して、エアコンをつけっぱなしにした状態と、切タイマーで3時間後にエアコンが止まる状態の、それぞれの室温の変化を8時間にわたって計測した。

実験開始時点の室温は30度。エアコンをつけっぱなしの場合は、30分後には28度を切り、8時間後まで安定した室温を保った。それに対して、切タイマーを使用した場合は、運転が停止する3時間後から温度が上昇を始め、停止から30分後には28度を超えた。さらに、6時間後には30度を突破、最終的には31.2度まで上昇した。

それぞれの電気代は、深夜料金を想定して算出したところ、つけっぱなしは26.7円、切タイマーは11.5円となった。夜間は日照がなく外気温が比較的低いため、昼間にくらべて、つけっぱなしでも電気代は大幅に安くなる。ちなみにパナソニックの計算では、昼間に8時間つけっぱなしにしたときの電気代は52.7円だった。
電気代だけでどちらが得かを考えれば、切タイマーに軍配があがるが、寝室環境と睡眠の専門家である和洋女子大学水野一枝教授によれば、人が快適に眠れる温度の上限は28度とのこと(個人差あり)。これを超えると睡眠の質が大幅に低下し、一般的に、抑うつ、便秘、肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが高まる。さらに免疫が低下し、睡眠不足によって怪我や事故も増える。とくに日中の体温調節機能が低下する夏場は、熱中症のリスクも増加すると水野教授は警告している。
寝室が暑くなり、体の深部体温が上がると、体は睡眠よりも体温調節を優先して動くようになる。そこで体温の管理を行う脳が覚醒する。目が覚めたという自覚がなくても、脳は起きて働くので、実質的に中途覚醒となり、睡眠の質は低下してしまう。28度はその目安だ。
つまり、気温が28度以上になる寝室の環境は大変に危険ということだ。すると自ずと、正解は「つけっぱなし」となる。電気代は1晩あたり15.2円高くなるが、健康を保つための投資と考えれば安いものだ。



