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AI

2026.07.08 13:30

「人たらし」の論理と美学:川村雄介の飛耳長目

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要するに、論文にも美があり、文学にも論理がある。両者の領界や区別をハナから「論理国語」と「文学国語」の二択で仕切るべきではない。子どもたちには、双方に偏りなく触れさせてあげたい。論理と感性のそれぞれの表現法とそれらの融合を体得することこそが国語力だ。

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これは、コミュニケーション力の養成にもつながる。人間関係はつまるところ、感情に左右されることが多く、お互いに剥き身でぶつかり合ったらうまくいかない。感情に内在するロジックを、相手に冷静かつ明瞭に伝えることが意思疎通のコツであり、外形的に論理の衣が必要になる。他方、論理の衣だけでは相手との距離は縮まらない。

つまり実りある意思疎通のためには、論理と感情の適切な変換と融合が有益なのである。ふたつを可逆的かつ巧みに操った人々が、人たらしといわれるようになる。

高校時代の私は、国語については、大量多種類のデータを蓄積し、無意識のパラメーターで要旨をまとめて分類し、記憶の箱に保存していたのだろう。ニューラルネットワークを介した深層学習を進めていたことになる。私はAIそのものだったのか。

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けれども、同時に私は文章を匂いと音、温度、それに好き嫌いでとらえていた。いつの日かAIが五感を備えるようになるのだろうか。そして真にオリジナルで人を感動させる文学を生み出すようになるのだろうか。中島敦や石川淳、誰よりも川端康成との競作を読んでみたいと願っている。


川村雄介◎一般社団法人 グローカル政策研究所 代表理事、公益財団法人 日本証券経済研究所研究顧問。1953年、神奈川県生まれ。1977年東京大学法学部卒、大和證券入社。1981年ワシントン大学法律学修士取得。長崎大学経済学部教授、大和総研副理事長を経て、現職。

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川村雄介の飛耳長目

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