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欧州

2026.07.02 08:00

窮地に立たされたロシアのプーチン大統領、失脚への秒読み開始か

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領。2026年6月17日撮影(Contributor/Getty Images)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領。2026年6月17日撮影(Contributor/Getty Images)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、あらゆる面で窮地に立たされている。同大統領の置かれた状況の深刻さや起こり得る結末、そして想定される今後の流れについて考えてみよう。

本稿は、筆者が最近、セバスチャン・ユンガーの人気ポッドキャスト番組「サブスタック」に出演した際、プーチン大統領の失脚を予測した対談をまとめたものだ。ユンガーは世界的に活躍する戦争ジャーナリストで、数々の賞を受賞した作家であり、ドキュメンタリー制作者でもある。

ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島は、ウクライナ軍による絶え間ない無人機(ドローン)攻撃により、事実上、燃料の供給を断たれている。観光シーズンの最盛期に同半島から脱出しようとする車が何キロにもわたって渋滞する光景は、ロシアにとって極めて不都合だ。ロシアに残された唯一の燃料供給ルートは、同国本土と半島を結ぶ「クリミア大橋」だけだ。この橋は極めて象徴的な建造物で、これまで何度もウクライナ軍の爆撃を受けながらも、いまだにそびえ立っている。橋を渡るガソリン運搬用トラックは格好の標的となり、攻撃を受ければ巨大な火球が巻き起こることは確実だ。ウクライナ情報機関の関係筋によれば、このような大規模な攻撃は差し迫っている。

ウクライナ侵攻の戦況が逆転したことは周知の事実だが、現場の現実と同じくらい、世間の目に映る光景も重要だ。プーチン大統領もロシア国民も無視できないほどの特異な惨事が発生すると、現実そのものが変化する。ウクライナ侵攻という野蛮な冒険全体が、まさに大惨事として映るだろう。プーチン大統領は汚名を免れることはできない。それどころか、世間の目を操作することさえできなくなれば、その影響は増幅され、同大統領の失脚への秒読みが始まる。独裁政権では、信頼の喪失は正当性の喪失につながるからだ。

ウクライナ侵攻にも参加した退役軍人であるロシアの軍事ブロガー、アレクサンドル・ルニンは最近、反乱を警告し、プーチン大統領との対談をテレビ中継するよう要求する動画を公開した。その中で、ルニンは軍の上層部から打ち明けられた秘密をプーチン大統領に伝えなければならないと語った。この動画は1100万回再生された。ルニンはその後、別の動画で態度を軟化させたが、その直後、拷問する将校に銃を向けると脅迫する兵士たちの動画が公開された。ルニンは現在、刑務所に収監されている。2023年に起きたロシアの民間軍事会社ワグネル・グループの創設者エブゲニー・プリゴジンによる反乱の記憶が、人々の脳裏に鮮明によみがえっている。

ロシアの首都モスクワ近郊にある軍事施設や電力施設、燃料施設に対するウクライナ軍の攻撃映像が絶えず拡散されている。燃料不足で車のガソリンが見つからず、泣き崩れる女性の姿を映した動画も至る所で見られる。一方、ロシアの路上で男性が強制的に徴兵される映像も出回っている。多くの場合、親族が誘拐犯の車両を阻止しようとしている。なぜ執行者自身が最前線で戦わないのかという疑問が街頭で投げかけられている。

歴史的に見て、過去1世紀の間に2度も政変が起こり、モスクワの帝国が崩壊したのは、第一次世界大戦とアフガニスタン侵攻という悲惨な対外軍事作戦が原因だったことを忘れてはならない。

プーチン大統領への圧力が高まるにつれ、同大統領を取り巻く上層部は自らの運命を案じ、ルニンのような人物を通じて不安を代弁させている。一般市民は、責任があるのはプーチン大統領本人なのか、あるいは側近が同大統領の現状把握と是正を妨げているのか、いずれかだろうと推測するしかない。国民はまず、支配層を非難するだろう。だからこそ、支配層は恐怖から、軍よりも先に反旗を翻すことになるのだ。

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翻訳・編集=安藤清香

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