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欧州

2026.07.02 08:00

窮地に立たされたロシアのプーチン大統領、失脚への秒読み開始か

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領。2026年6月17日撮影(Contributor/Getty Images)

いわゆる専門家やジャーナリストの大半がその可能性を軽視していた中で、筆者は2022年のウクライナ侵攻とその悲惨な結末を1カ月も前に予測していた。

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プーチン大統領は親衛隊に匹敵する、幾重にも重なる防衛体制を構築している。同大統領には独自の護衛部隊があり、ロシア連邦保安庁(FSB)や内務省部隊、30万人の兵力を擁するロシア国家親衛隊といった多数の治安部隊に加え、3万人に及ぶ直属の護衛官や警察などが含まれる。同大統領は長年にわたり、これらの部隊を互いにけん制し合うように活用してきた。だが、各部隊はそれぞれ脅威でもあり、何よりもまず自らの指揮官への忠誠を最優先している。これら部隊間の内戦も、あり得るシナリオの1つだ。

プーチン大統領の終焉がどのような形になるかという問題は、むしろどのような結末が計画されているかによって決まる。プーチン大統領を速やかに殺害し、その後権力争いを繰り広げるということは、忠誠派が反応する前に、陰謀を企てる者たちを事前に排除し、脅威を取り除くことを意味する。しかし、それは同時に見せしめ裁判を行い、プーチン大統領の統治下で生じたあらゆる弊害の責任を同大統領に負わせ、他の者たちを免責するという選択肢を排除することにもなる。この選択肢によって、体制とその支配層は混乱を最小限に抑えつつ、自らの地位を維持できるのだ。これは、いわば「チャウシェスクの選択肢」と言えるだろう。冷戦時代の悪名高きルーマニアの独裁者ニコラエ・チャウシェスク大統領は、軍の上層部によって妻とともに処刑されたが、かつての支配層は名目上の民主主義体制の下で政権を運営し続けた。

こうしたシナリオが脅威となっていることは、プーチン大統領の長年の盟友だったセルゲイ・イワノフ元国防相が6月26日に73歳で謎の死を遂げたことからも見て取れる。イワノフ元国防相は長年にわたり、プーチン大統領の後継候補と目されていた。同元国防相は権力と免責特権を持ち、時にはあえて現状を批判することさえできる、政権幹部では希少な人物だった。ロシア大統領府(クレムリン)は死因を一切明らかにすることなく、イワノフ元国防相の死去を発表した。プーチン大統領とは1970年代から親交の深かった同元国防相は、何度か公式の権力から遠ざけられたものの、FSBとは密接な関係を維持していた。

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こうした事態はプーチン大統領にとって厄介な問題となる。潜在的なライバルが次々と排除されていくにつれ、他の者たちも自らの身の危険を感じ、先手を打って大統領に反旗を翻すだろう。周囲に疑心暗鬼がはびこる中、あらゆる出来事が同大統領の終焉の引き金となり得る。ウクライナ軍によるロシアへの攻撃の激化。食料不足。タタルスタン共和国、バシコルトスタン共和国、チェチェン共和国といったロシア国内の共和国の分離独立運動。ウクライナ軍によるクリミア侵攻。そして何よりも中国の動きが鍵となる。中国が弱体化したプーチン大統領を自国の利益にとって足手まといだと判断すれば、さまざまな方法で同大統領の失脚を招くことができる。例えば、軍事支援の打ち切りやシベリアへの進出などが考えられる。実際、中国はロシア経済への支援を厳しく制限している。中国は既に、自国とロシアを結ぶ天然ガスパイプライン「シベリアの力2」敷設計画への資金提供を拒否している。

プーチン大統領の命運は尽きようとしている。現在の流れが続いたり悪化したりすれば、同大統領は3年以内に失脚する可能性が高い。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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