米民間雇用サービス会社のADPが現地時間7月1日に発表したデータによると、6月の民間雇用者数は市場予想を上回る伸びを示した。ヘルスケア部門が全体を牽引した。しかしその一方で、新規採用件数には「減速」の兆しが見え始めている。
ADPの報告によると、6月の民間雇用者数は9万8000人増となった。5月の12万2000人増からは鈍化したものの、ファクトセットがまとめた市場予想の平均値である9万2500人増を上回る結果となった。
業種別に見ると、教育・ヘルスケアサービス部門が4万8000人増と全体のほぼ半数を占めた。これに、卸売・小売・運輸・公益事業(1万5000人増)、金融(1万4000人増)、情報(7000人増)、そして専門・ビジネスサービス(2000人増)が続く。
企業規模別では、従業員50人未満の小規模企業が5万3000人の雇用を創出した一方、従業員500人以上の大企業は2万5000人の雇用増加にとどまった。
ADPのチーフエコノミストであるネラ・リチャードソンは声明で、「現在の採用ペースは、労働市場における需要と供給の双方の状況を物語っている」と指摘し、次のように述べた。「求職者が仕事を見つけるまでに以前より時間がかかっているのは事実だが、特定の業界では労働力供給の制約を示す兆候も見られる。現在のところ、これらが合わさった全体的な結果として、雇用創出のペースが減速している」
ADPによる民間雇用のデータは、2日に労働統計局(BLS)が発表する予定のより広範な雇用統計に先行する指標となる。6月の非農業部門雇用者数は10万人の増加にとどまると予想されており、5月の17万2000人増、4月の17万9000人増、そして3月の21万4000人増という力強い伸びからは減速する見込みだ。また、失業率は4.3%で横ばいになると予測されている。
コンファレンス・ボードが発表した6月の消費者信頼感指数によると、雇用について「仕事を得るのが難しい」と回答した消費者の割合は22.5%に達した。これは2021年1月以来の最高水準である。同調査ではまた、多くの米国民が今後6カ月後の労働市場について、ほとんど変化がないと予想していることも示された。
今年の年明け時点では停滞しているように見えた労働市場だが、インフレ率が連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を上回って推移しているにもかかわらず、ここ数カ月間は市場予想を上回る好調さを維持している。5月の雇用統計が予想を上回った際、ドナルド・トランプ大統領は「経済成長はインフレを意味しない!」と投稿してこれを歓迎した。しかし、政府統計が新規雇用の急増を示す一方で、実際に働いている米国民の数は減少している可能性がある。働く意欲を持つ人の割合を示す労働参加率(現在働いているか、または仕事を探している米国民の割合)は、5月時点で61.8%となり、2021年12月以来の最低水準に落ち込んだ。



