ドナルド・トランプ大統領の上場企業は昨夏、ビットコインに投資する計画を発表して注目を集めた。しかし、大統領本人も暗号資産を積み上げていたことを知る者はほとんどいなかった。
その事実が明らかになったのは米国時間6月30日、トランプが保有資産を列挙した倫理関連の申告書を公表したときだ。彼は、いずれも5000万ドル(約80億5000万円。1ドル=161円換算)を超える2つの資産を開示し、それぞれを不自然にも「暗号資産ウォレットの仮想ビットコイン鍵(コールドウォレットで保管)」と記載した。より平易にいえば、ビットコインの大量保有を意味するとみられる。
開示された資産のうち2件はそれぞれ5000万ドル(約80億5000万円。1ドル=161円換算)を超え、いずれも「暗号資産ウォレットの仮想ビットコイン鍵(コールドウォレットで保管)」というぎこちない名称で記載されていた。平たく言えば、これは要するにビットコインの大量保有を意味するとみられる。
これらを大統領が間接的に保有するトランプ・メディアのビットコイン投資分に加えると、暗号資産に対する大統領の総エクスポージャーは5億ドル(約805億円)を超えるとForbesは推計する。
この状況には、利益相反の可能性があふれている。ビットコインは大統領選の投票日から2025年10月までに82%上昇した。トランプがデジタル資産に対する政府の姿勢を軟化させたためだ。投資家の熱狂は極端なまでに高まり、バブルを招いた可能性がある──その後、ビットコイン価格は53%下落した。
一連の点について問われたホワイトハウスの報道担当者は、大統領が利益相反に関与したことを否定した。だがその上で、自らの保有資産に有利に働いた数々の政策に言及した。アナ・ケリー副報道官はこう述べた。「トランプ大統領は大統領令や、GENIUS法(GENIUS Act)のような法案の支持、そして全米国民のためにイノベーションと経済的機会を促す他の常識的な政策を通じて、米国を世界の暗号資産の中心地へと誇りをもって押し上げた」。
トランプのビットコインの源泉は、彼が一般向けに販売した2つの暗号資産事業にあるようだ。彼のワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)は約8億ドル(約1288億円)の収入を生み、その多くは選挙から就任式までの期間にもたらされた。トランプのビットコインウォレットの1つは、彼がワールド・リバティへの持分を維持しているのと同じ事業体によって保有されている。
トランプのミームコインを立ち上げた企業CIC Digital LLCは、6億3500万ドル(約1022億3500万円)超のロイヤルティーを得た。同社は、トランプの開示で特定されたもう1つのビットコインウォレットを保有している。
トランプ家は、ビットコインを積み増す他者を公然と称賛してきた。億万長者のマイケル・セイラーは、自身の会社ストラテジー(Strategy)でその手法を築き上げた。同社はビットコインを積み上げて価値を急拡大させ、200社を超える追随企業を生んだ。エリック・トランプは2025年9月、「まともな企業はどこも、ビットコインをバランスシートに載せ始めているか、載せる途上にある」と感嘆してみせた。
それにはトランプ・オーガニゼーションも含まれていた。



