ソニーは米国時間7月1日、2028年1月をもってPlayStation向け新作ゲームの物理ディスク生産を終了し、デジタル販売に完全移行すると発表した。「消費者のトレンドに適応する」ための取り組みだという。大手ゲーム機メーカーの1社で物理ディスクの時代が終焉を迎える。
ソニーのシニアディレクターを務めるシド・シュマンは1日のブログ投稿の中で、「(この移行は)今日のユーザーの大半が好むゲームへのアクセス方法やプレイスタイルに、より柔軟に対応するためのものだ」と説明した。
近年、新作ゲームの物理ディスクの売り上げは減少の一途をたどっている。ソニーが2025年に発行したレポートによると、2024年における同社の売上高のうち物理ディスクが占める割合はわずか3%にすぎない。
今回の発表の数日前には、大きな期待が集まる新作ゲーム『グランド・セフト・オートVI』の予約受付が開始されたばかりだった。同作は11月に発売予定だが、パッケージ版であっても物理ディスクは同梱しない仕様となっている。
ソニーは、デジタル販売への完全移行について、すでに発売済みのタイトルや、2028年1月までに発売される新作ゲームには影響しないと説明している。
アナリストは、ゲーム業界の「決定的な転換点」とコメント
アンピアー・アナリシスのアナリストであるピアーズ・ハーディング・ロールズはXへの投稿で、このソニーの決断はゲーム業界の「決定的な転換点」になると述べた。同社のデータによると、ソニーのデジタルゲーム売上はすでに物理ディスクを圧倒している。2013年当時、ゲーム販売全体に占めるデジタル版の割合はわずか13%にすぎなかった。しかし、その12年後にはトレンドが完全に逆転し、昨年ソニーが販売したゲームの80%をデジタル版が占めるに至った。ハーディング・ロールズはさらに、現在のところ正式な発売日が決まっていないソニーの次世代ゲーム機「PlayStation 6」について、この通常モデルには物理ディスクドライブは搭載されないだろうと予測した。
この動きに対し、サーカナのゲーム業界アナリストであるマット・ピスカテラはブルースカイへの投稿で、「パッケージ版のビデオゲームは、ゲーム機メーカーがその存続を許す期間しか生き残れないだろう」との見解を示した。ピスカテラは自社の調査データを提示し、5月までの直近12カ月間における新作ゲームのパッケージ版の総売上は業界全体で16億ドル(約2592億円。1ドル=162円換算)にとどまり、2009年の115億ドル(約1.86兆円)から激減したと指摘した。
この発表にも関わらず、1日朝の取引開始直後ではゲームストップの株価は大きく変動していない。ゲームストップは3月、消費者の好みがデジタル版に移行した影響などにより第4四半期決算で14%の減収を報告していた。



