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経営・戦略

2026.07.02 11:30

スペースXのIPOが拓く「小惑星採掘」の新時代──投資家が知っておきたい軌道経済

Brandon Bell/Getty Images

小惑星採掘の現実

「地球上での採掘のように、成分が濃縮された鉱石を探し出すのとはわけが違う。小惑星の地質は地球上のものとはまったく異なる」とモスコヴィッツは説明する。価値のある物質は、ppm(100万分の1)やppb(10億分の1)といった極めて微量の粒として分散している可能性がある。それらを宇宙空間で抽出・精製するにはいまだ未解決の大きな課題を乗り越える必要がある。

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微小重力もやっかいな存在だ。地球上の重機とは違い、小惑星を採掘する宇宙船はアンカーで自らを固定するか、ホバリングするか、あるいは特殊なサンプル回収システムを使用する必要がある。また、小惑星へのアクセスに関わる問題もある。大まかに言えば、小惑星の資源に関する議論は通常、水が豊富なC型小惑星、鉄・ニッケル合金が豊富なM型小惑星、鉄、ニッケル、マグネシウムが豊富なS型小惑星の3つに焦点を当てている。しかし、どの小惑星にアクセスできるかどうかは、その小惑星が地球に接近する軌道経路を持っているかどうかに左右されてしまう。

小惑星採掘スタートアップの新たな波

第2波の企業は、より早い段階でミッションを実施し、実用的なマイルストーンに集中することで、過去と同じ運命をたどることを避けようとしている。カリフォルニア州ハンティントンビーチに拠点を置くアストロフォージは、白金族金属の採掘に注力する企業だ。同社の探査機「オーディン」は、小惑星「2022 OB5」を撮影するために昨年2月26日に打ち上げられたが、同社によると、2026年第4四半期には地球近傍小惑星とランデブーする「ディープスペース-2」ミッションが計画されているという(オーディンは打ち上げ後に太陽電池パドルの故障に見舞われた)。

また、ロサンゼルスを拠点とするトランスアストラは、地球近傍小惑星を捕獲し、その処理のために安定した軌道へ移動させる計画を掲げており、資金が調達できれば2028年または2029年にランデブーを行う可能性がある。

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3番目の企業であるコロラド州のカーマンプラスは、宇宙経済向けに手頃な価格の天然資源を供給することを目的に小惑星の採掘を目指している。宇宙ビジネスメディアのペイロードによると、2027年2月の実施が計画されている同社初の実証ミッション「ハイ・フロンティア」に向けたシード資金、2000万ドル(約32億4000万円)がすでに集まった。

モスコヴィッツは、「今回の挑戦で異なるのは、実際に企業が宇宙に到達しているという点だ」と語る。「小惑星採掘に必要な技術の一部をテストするために、各企業は実際にプラットフォームを打ち上げている」

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翻訳=江津拓哉

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