新たな調査によれば、スイスに拠点を置くディープテックのスタートアップは2025年に、26億ドル(約4190億円)の新規投資を調達した。これは過去最高の額であり、10年前と比べて5倍に増加したことになる。
ディープテック国家スイス財団(Deep Tech Nation Switzerland)が発表した「スイス・ディープテック・リポート2026」は、国際経済を再構築しつつある技術分野において、いまやスイスが新たなソリューションやアプリケーションの開発競争で優位に立ったと明らかにしている。
特筆すべきは、テクノロジー投資全体に占めるディープテックへの配分比率が、世界で最も高い国がスイスだという点である。スイスのベンチャーキャピタル(VC)投資のおよそ63%は、消費者向けアプリケーションではなく重要な科学・工学上の課題に取り組む事業へと流れている。こうした領域は大規模な研究、巨額の資本、長い商業化の時間軸を要する一方で、より大きなリターンの可能性もある。
このことが示唆するのは、スイスが最終的に新たな世代の世界的テック巨大企業を生み出し得るということだ。例えば2020年以降、同国では人口1人当たりで見ると、ベンチャー資金に支えられたロボティクスのスタートアップ立ち上げ数が米国の3.5倍、英国の5倍に達している。上記のリポートが「コンピューティングの未来」サブセクターと呼ぶ分野では、人口1人当たりの特許数が欧州平均の7倍にのぼる。
筆者は、ディープテック国家スイス財団のほか、VCのFounderfulとKickfund、スタートアップ情報プラットフォーム「Startupticker」、世界のスタートアップやVCの情報を集積したデータベース「Dealroom.co」が発行した2025年版の同リポートを取り上げ、ディープテック・イノベーションにおいて成長著しい世界的勢力として、スイスの台頭を追った。それから約1年が経ち、同国の勢いはさらに加速しているように見える。



