ビジネス

2026.08.02 10:15

柳井正「行き先に悩んだら、『上』を見て行動を」贈りたくなる言葉集 vol.2

Forbes JAPAN編集長編著『Forbes JAPANが選ぶ 未来をひらく言葉』から、Forbesが過去取材したビジネスリーダーたちの名言を紹介する。

正解のない時代に「未来をひらく」仕事をなし得た彼ら・彼女たちは、自らの行動からどんな言葉を紡ぎ、何を導き出したのか。「名言こそ未来に伝えるべき共有物だ」をコンセプトに、リーダーたちの言葉をひもとき、われわれの「今日の行動」に転換すべく読み解くコラム。第2回の今回は、ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長 柳井正の言葉を紹介する。


「1勝9敗」の果てに目的地を見つける

行き先を決めない限り、行きたいところには行けない。つまり、人生の目標を考えていなかったのです。

──柳井正

「あの人は器が大きい」という言い方がある。その「器」は後天的に大きくなるものだろうか、それとも生まれながらのものだろうか。そんなことを考えたのは、ユニクロの柳井さんにインタビューをした後だった。なぜなら、柳井さんの話は、「器」を大きくしていった経験に聞こえたからだ。柳井さんの言葉をもとに彼の半生を振り返ってみたい。

Getty Images
Getty Images

<上には上がいることをよく知ること>

柳井さんが小郡商事という洋品店に入社したのは1972年。日本の実質GDPが8.4%(2025年現在の日本は1.1%)という高度経済成長の終盤期であった。しかし、柳井さんが言うには、「僕が商売をやっていた宇部は炭鉱町だったから、炭鉱が閉山になると中学校が2つ廃校になる規模で人口が流出するんだよ」という、今の日本の人口減少を違うかたちで先取りする「課題先進地域」だった。

「今みたいに世界的な企業になる要素は一つもなかった」にもかかわらず、彼は定期的に海外視察に行った。一代でアメリカを代表する婦人服チェーンを築き、最短で上場して1兆円規模までいった巨大ブランド「ザ・リミテッド」、やはり当時のイギリスでナンバーワンだった「ネクスト」。リミテッドの創業者レスリー・ウェクスナーを尊敬していた柳井さんは、家で食事をともにするまでの関係になる。より大きな大海原に出ていくこの行動力が、「器」を大きくしていく源泉だろう。そのエネルギーは、常に「上には上がいるから」それを知りたいという欲求といえる。

次ページ > <自分ができることだけをやるのは挑戦ではないと思いますね>

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事